先輩税理士を目の前に研修講師!テーマは連結納税

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StockSnap / Pixabay

昨日、東京税理士会神田支部で開催されている税理士の勉強会にて研修講師を務めました。

テーマは「連結納税」でした。

なぜ税理士を相手に講師を務めるということ

失敗したこと

遅刻しそうになりました…。

資料を30部用意したのですが、印刷時間が想定の倍以上かかってしまい、冷や汗ものでした。

この日は、午前中からやや難易度高めの問い合わせがあり、PCトラブルが発生し、複合機トラブルも発生し、踏んだり蹴ったりの一日を過ごしていました。

そうした中、想定を大幅に上回る低速の複合機(普段、大量印刷しなかったので低速だったことに気付かなかった)のせいで、到着は研修開始直前になってしまいました。

周りは1まわりも2まわりも年上の大先輩の税理士という環境の中、息絶え絶えで冷や汗をかきながら、セミナーを開始する羽目になってしまいました。

よかったこと

今回、講師を務めることとなった研修会に参加し始めたのは、約1年前のことでした。

この研修会、月1回の開催なのですが、このペースでの開催だと、顔は覚えることができても名前が覚えらえられないとか、名刺交換をしたかどうかの記憶があいまいになる微妙な感覚です。

とある大先輩の税理士とは、少なくとも3回は名刺交換しました(心の中で「多分、3回目の名刺交換だな」と思いつつ…)。

覚えてもらうようにキャラがたつように振舞えと営業の得意な方々からお叱りを受けそうですが、ひとり税理士なのでこういうところでは目立たないほうがいいかもと思ったりと…。

1年間、目立たない存在で過ごしてきたわけですが、今回の研修講師で

「連結納税が分かる神田支部の開業税理士…、あ、林だ!」

と思ってもらえるようになったことでしょう。

研修終了後の懇親会では、多くの先輩方に声をかけて頂き、今回の研修に関して労いの言葉をいただきました。

なぜ講師を務めることになったのか?

輪番制だから…

そして、若手だから…

はい、それだけです。スイマセン…。

なぜ「連結納税」を選んだのか?

飲み会や交流会では、キャラ立ちしないほうなのですが、税理士としての業務内容は「キャラ立ち」するよう心掛けています。

この連結納税というテーマは、実務で遭遇する税理士というのは非常に少なく、今回の勉強会参加者の中には、連結納税を扱ったことのある方は誰もいませんでした。

税理士法人で「連結納税」導入コンサルティングや連結納税の申告実務を行ったことがあり、上場企業の経理部員であったときは連結納税の導入を社内で主導したという経験をしている税理士はそれほど多くはありません。

少数派であるからこそ、「連結納税」というものをテーマにすることで目立つことができるのです。

「連結納税」の研修レポート

今回の研修では、税理士の方々が相手ということではあるものの、「連結納税」を経験した方がほぼいない状況であったため、あまり深りはせず、大まかな概要や単体納税との違いを説明しました。

研修の内容は、以下の通りです。

  • 制度の概要
  • 連結納税導入のメリット・デメリット
    メリットとしては、所得がプラスの法人とマイナスの法人との所得の損益通算が出来ること、連結親法人の繰越欠損金を有効利用できることです。
    デメリットとしては、連結子法人について連結納税加入直前のみなし事業年度において保有資産の時価評価をしなければならない場合があることや、繰越欠損金が切り捨てられる場合があることです。
  • 繰越欠損金の引継・切捨て
    連結親法人の繰越欠損金は、連結納税導入時に引き継がれます。
    連結子法人については、連結親法人に5年以上継続して100%保有されている場合や適格株式交換で連結子法人になった場合等、特定連結子法人に該当する場合には、特定連結欠損金として連結納税時に引き継がれます。
    特定連結子法人に該当しない場合には、繰越欠損金は引き継がれずに切り捨てられます。
    連結親法人が連結納税前に有していた繰越欠損金は、連結所得の範囲内で利用することができますが、特定連結子法人が連結納税前に有し、特定連結欠損金として引き継がれたものについては、その連結子法人の個別所得金額の範囲内でのみ、利用することができます。
  • 時価評価損益の計上
    金銭債権、固定資産などの連結子法人が有する資産については、その連結子法人が特定連結子法人である場合を除き、時価評価の対象となります。
    ただし、含み損益が資本金等の額の2分の1または1000万円のいずれか少ない金額に満たない資産などの一定の資産については、時価評価の対象外となります。
  • 【平成29年度税制改正】繰越欠損金の引継・切捨て&時価評価損益
    全部取得条項付種類株式の端数処理、株式併合による端数処理、株式売渡請求といったスクイーズアウト(少数株主排除)の手続について、平成29年度税制改正により、「株式交換」として組織再編税制に組み込まれました。
    これにより、3分の2以上を保有する子会社については、スクイーズアウトの結果、連結納税に加入することになったとしても、適格要件を満たしていれば、「適格株式交換等」に該当するものとして、繰越欠損金が切り捨てられず、時価評価からも免れるようになりました。
    また、帳簿価額1000万円未満の資産については、時価評価の対象外となりました。
  • 連結事業年度とみなし事業年度
    連結納税における連結事業年度は、連結親法人の事業年度となります。
    連結納税の加入時や離脱時には、単体納税から連結納税へ、連結納税から単体納税へと切替えがあるため、みなし事業年度が発生します。
  • 連結所得金額と連結法人税の計算
    基本的には、各連結法人の所得金額の合算により、連結所得金額を算定します。
    しかし、受取配当等の益金不算入や寄付金の損金算入限度額などの一部の項目については、連結納税グループ全体で税務調整額を算出し、その算出した調整金額を個別帰属額として各連結法人に配布します。
  • 連結所得に対する税率
    連結親法人の資本金に応じて、決定されます。
    連結親法人が資本金1億円以下であれば、中小特例の適用により、年800万円以下の連結所得については15%の軽減税率の適用を受けることができます。
    あくまで連結親法人の資本金で判定しますので、例え連結子法人に資本金1億円を超える法人があったとしても、中小特例の軽減税率の適用を受けることができます。
  • 受取配当等の益金不算入
    完全支配関係株式、関連法人株式等、その他の株式等、非支配株式等の判定は、連結納税グループ全体で行います。
    また、控除負債利子の計算についても、連結納税グループ全体の負債利子の額、総資産の帳簿価額、関連法人株式等の帳簿価額の合計額を用いて計算します。
  • 連結子法人株式の帳簿価額の修正
    二重課税とならないよう、連結子法人を売却した場合などの一定の場合には、連結子法人株式の帳簿価額を調整する必要があります。
  • 連結納税の承認手続き
    連結事業年度開始の日の3月前までに承認申請書を提出する必要があります。
  • 連結離脱法人の青色申告の承認手続き
    連結納税内で設立された連結子法人は、連結納税適用時には、青色申告法人になることはできません。
    そのため、そのような連結子法人が連結子法人から離脱した場合には、青色申告承認申請書を提出する必要があります。
    離脱直前のみなし事業年度において青色申告の承認を受けるためには、みなし事業年度終了の日から2月以内に提出しなければなりません。
  • 連結納税に関する会計処理(個別財務諸表)
    連結納税においては、国に納税するのは、連結親法人のみです。
    そのため、連結法人税のうち各社に帰属する分については、貸借対照表上、「未払法人税等」や「未収還付法人税等」で認識するのではなく、親会社に対する「未払金」や「未収入金」として会計処理をすることになります。
  • 税効果会計(個別財務諸表)
    税効果会計を適用している法人にとっては、連結納税による節税額だけが増益要因になるわけではありません。
    これまで回収可能性がないということで繰延税金資産を計上することができなかった将来減算一時差異について、法人税の実効税率分だけは、回収可能性が望めるようになって繰延税金資産を計上することが可能になるという場合があります。
    税効果会計により、節税額以上に最終利益を改善することができるのです。

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【編集後記】

昨日は、PCトラブル、慣れない大量印刷、大先輩の税理士の前で「連結納税」をテーマに講師を務めるといった気の休まらない1日を過ごしました。

今週は(私にしては)仕事が詰まっているので、頑張らないといけない1週間になりそうです。

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------※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。---------

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