法人税確定申告期限の延長の税制改正の効果なし?7月株主総会ゼロの現実

2018年2月8日

——※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。———

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geralt / Pixabay

2017年度税制改正により、会計監査を受けている会社の法人税確定申告期限の延長が緩和されました。この税制改正は、6月に集中開催している株主総会を分散化させ、7月にも株主総会を開くことができるようにすることが狙いでした。しかし、本日(2017年5月16日)の日本経済新聞によると、7月に株主総会を開催する3月決算の上場会社はなかったとのことです。実務慣行を変えることは容易ではないようです。

2017年度税制改正による法人税確定申告期限の延長とは?

3月決算の会社であれば、法人税の確定申告期限は期末の2か月後の5月末になります。上場企業であれば会計監査を受けることになりますので、5月末までに法人税の確定申告を行うとなると、スケジュールが非常にタイトになってしまいます。そこで、税制改正前は、税務署へ申請書を提出することにより、確定申告期限を1か月延長し、6月末にすることが可能でした。そして、その確定申告期限に合わせ、決算報告とその承認を行う定時株主総会の開催が6月末に集中することとなったのです。

この6月末に集中する株主総会を何とかしようとのことで、2017年度税制改正により、会計監査を受けている会社については、確定申告期限の2か月延長が可能となりました。例えば、3月決算法人の場合、7月末までに確定申告を行えばよいこととなります。すると、株主総会の開催についても7月中に行えばよいということになるのです。

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7月株主総会実施のための課題

7月に定時株主総会をずらすには、下記の課題があります。

  • 決算日=配当基準日=議決権行使基準日の慣行が崩れる
  • 上記慣行が崩れた場合、株主確定コストが増加する
  • 役員人事が遅くなることの影響
  • 株主の配当の受け取りが遅れてしまう懸念
  • 第1四半期の決算発表と株主総会が重複してしまう可能性

ただ、欧米では決算日から4~5か月後に株主総会をするというのは一般的であり、上記の懸念は取るに足らない問題という認識のようです。
決算日と配当基準日や議決権行使基準日が同じだとわかりやすいし、きれいな感じがしますが、では違ったらどうなのかというと、特段問題はないでしょう。株主確定コストの増加は、これにより株主の利便性が向上するということと天秤にかければ、取るに足らないコストといえるでしょう。

役員人事が遅れるというのも、機関投資家から見れば特にどうってことはないとのことです。配当の受け取りが遅れてしまう懸念については、導入初年度こそ遅れた感が出てしまいますが、それ以後は定期的なスケジュールとなりますから、特段問題ないでしょう。また、配当決議を取締役会決議で行えるようにすることで解決を図ることもできます。

第1四半期の決算発表と株主総会が重複するといったのも、欧米では珍しくはないようです。株主総会は遅くなったとしても、決算発表自体は4月下旬から5月初旬には行われているので、それほど不都合は感じないといえるでしょう。

まとめ

一番のハードルは、やはり実務慣行を変えることにあるのでしょう。すでに、3月末決算日、6月下旬株主総会というワークフローが出来上がっていますから、それを変えるのに会社側としてそれほどインセンティブを感じないといったところなのでしょう。

ただ、上場会社の経理に携わってきた身として思うのは、4~6月までは忙しすぎです。7月も第1四半期があるので、4~7月までは多忙を極めます。ですから、株主総会が7月に後ろ倒しになるというのは、スケジュールに少しは余裕ができるので、経理部員にとっては望ましいことといえるでしょう。

来年には7月株主総会の会社が出てくるのでしょうか。すぐには変わらないとは思いますが、徐々にそういった取り組みをする企業が増えて頂きたいものです。

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【編集後記】

昨日は、午前アポあり、午後アポあり、夜は午前のお客様のところへ再度訪問、合間を縫って新規案件の見積もり提出と忙しい一日でした。

【昨日の一日一新】

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