30万円未満の少額固定資産を購入時に経費にするのは本当に有利なのか?

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FirmBee / Pixabay

2018年度税制改正要望として挙げられている項目の一つが、平成30年3月31日に期限切れを迎える中小企業者の少額固定資産の損金算入の特例の延長です。

法人税や所得税では、10万円未満の少額固定資産については取得時に経費にできるというのが原則です。

しかし、中小企業者については時限立法により、10万円以上の固定資産についても30万円未満であれば取得時に経費にすることが認められています。

30万円未満の資産であれば、取得時にすべて経費にすることがお得な気がしますが、実はそうとは限りません。

償却資産について固定資産税が課税されている場合

償却資産税とは

固定資産税というと、通常、土地や建物について課税される税金というイメージを持たれている方が多いと思います。

しかし、事業を行っている個人や法人については、土地や建物以外の償却資産についても固定資産税が課税されます。

償却資産とは、具体的に次のようなものです。

1.構築物
舗装路面、庭園、門・塀・緑化施設等の外構工事、看板(広告塔等)、ゴルフ練習場設備、受変電設備、予備電源設備、その他建築設備、内装・内部造作等

2.機械及び装置
各種製造設備等の機械及び装置、クレーン等建設機械、機械式駐車設備(ターンテーブルを含みます。)等

3.船舶
ボート、釣船、漁船、遊覧船等

4.航空機
飛行機、ヘリコプター、グライダー等

5.車両及び運搬具
大型特殊自動車(分類記号が「0、00~09、000~099」「9、90~99、900~999」の車両)等

6.工具、器具及び備品
パソコン、陳列ケース、看板(ネオンサイン)、医療機器、測定工具、金型、理容及び美容機器、衝立等

※ 東京都主税局ホームページより引用

償却資産税は、次の式により計算します。

課税標準額×1.4%=償却資産税

なお、償却資産税は、取得価額を基礎として計算した課税標準額が150万円未満である場合には課税されません。

課税標準というと難しいのですが、所有している固定資産の購入価額が総額で150万円未満であれば、まずは課税がないと思っていただいてよいでしょう。

また、使用期間が1年未満のものや10万円未満の少額の固定資産で購入時に経費としているものについては、課税対象外となります。

10万円以上20万円未満の固定資産

法人税や所得税では、10万円以上20万円未満の固定資産については、次の2通りの処理が考えられます。

  1. 一括償却資産として3年間で均等額を経費にする
  2. 取得時にその全額を経費とする(青色申告者である中小企業者のみの特例)

上記1の一括償却資産とした場合、償却資産税の課税対象外となります。

上記2は30万円未満の少額減価償却資産の特例により、法人税や所得税の計算上は、1年で経費となりますが、償却資産税の対象となってしまいます。

この場合、その資産の所在地の移動や廃棄などの管理が必要となり、手間暇がかかります。

償却資産税の課税対象となる事業者であれば、3年間トータルで考えると、上記1を選択したほうが税金は少なくて済むのです。

例:15万円の固定資産を購入

<一括償却資産を選択した場合>

課税年度

取得年度

取得翌年度

取得翌々年度

経費となる金額

5万円

5万円

5万円

償却資産税

課税対象外

<取得時に全額経費とした場合>

課税年度

取得年度

取得翌年度

取得翌々年度

経費となる金額

15万円

ゼロ

ゼロ

償却資産税

課税標準の1.4%

20万円以上30万円未満の固定資産

法人税や所得税では、20万円以上30万円未満の固定資産については、次の2通りの処理が考えられます。

  1. 固定資産として耐用年数に基づく償却率により減価償却費相当を経費とする
  2. 取得時にその全額を経費とする(青色申告者である中小企業者のみの特例)

上記1、2のいずれも償却資産税の対象になり、税額はともに同じ金額になります。

そのため、上記2のほうが早めに経費にできる分だけお得といえます。

まとめ

まとめると、以下の通りになります。

償却資産税が課税される事業者

10万円以上20万円未満の固定資産については、一括償却資産を選択することで、償却資産税の税額を少なくすることができます。

確かに単年度で考えると、取得年度の法人税や所得税が高くなってしまいますが、3年間トータルで考えれば同じです。

20万円以上30万円未満の固定資産については、償却資産税は免れませんので、取得年度に損金算入でよいでしょう。

償却資産税が課税されない事業者

償却資産税が課税されない事業者であれば、30万円未満の少額固定資産については、取得年度に損金算入でよいでしょう。

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【編集後記】

先週、フルマラソンのお誘いがあったのですが、距離の不安、膝の不安があり、すぐには返答できず熟考していました。

正直、自信はありませんが…、思い切ってエントリーすることにしました。

明日からトレーニングしないと…。

【昨日の一日一新】

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------※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。---------

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