本日(2018年4月25日)発売の『企業実務』2018年5月号に私が執筆した記事が掲載されます。
テーマは、「少額減価償却資産の特例は必ず有利といえるのか」です。
記事の概要
少額減価償却資産の特例とは
少額減価償却資産の特例とは、30万円未満の固定資産を購入した場合に、その購入費用の全額をその購入した日の属する事業年度において損金の額に算入する(平たく説明すると「経費にする」という意味です。)ことが出来る制度です。
原則、10万円以上の固定資産については、次の処理をすることになります。
- その固定資産の耐用年数にわたって減価償却を行って損金の額に算入する
例えば、パソコンであれば耐用年数が4年ですので、購入価格を4年間かけて経費にしていきます。 - 20万円未満の固定資産の場合は、3年間で均等額を損金の額に算入する
しかし、青色申告を行っている資本金1億円以下などの要件を満たす中小企業者の場合、30万円未満の固定資産については、1事業年度300万円を限度として、30万円未満の固定資産を取得時の経費にすることができるのです。
この制度は2018年3月末が期限だったのですが、2年間延長となり、2020年3月末まで適用を受けることができるようになりました。
この特例、必ずしも有利といえるのか?
この特例、必ずしも有利といえるのかというと、そうとも言い切れない場合があります。
それは、20万円未満の固定資産の場合です。
事業用の固定資産については、保有している固定資産が一定の水準以下の法人を除き、償却資産税と呼ばれる固定資産税が課せられます。
償却資産税については、一括償却資産を選択した場合には課税されませんが、少額減価償却資産の特例を選択した場合には課税の対象となります。
償却資産税を意識すると、必ずしも少額減価償却資産の特例が有利とは言えないのです。
今回執筆した記事では、この有利不利の判定を数値例をもとに詳細に解説しています。
記事掲載のきっかけ
今回の記事の執筆のきっかけは、下記のブログ記事でした。
この記事を読んでくださった日本実業出版社の方が、当ブログの問い合わせフォームを通じて連絡をくださったのです。
独立後、雑誌への寄稿はこれで3回目です。
これまでは担当者の方にお会いすることなくメールのみのやり取りのみでしたが、今回は事務所の近くまで担当者の方がお越しくださいました。
仕事をするということだけであれば、メールのやり取りのみで十分なのでしょうが、お会いした担当者の方とのお仕事は、その仕事自体に愛着がわきますし、執筆を終えた後に達成感を感じることもできました。
見本誌とともに手書きのお礼状もいただき、このお仕事を頂いてよかった!と感じました。
私自身は字を書くのが得意ではないので、手書きでお手紙を書いたりすることはほとんどないのですが、頂くととうれしいものですね。
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【編集後記】
今年はいよいよ私が執筆した本が発売される予定です。
仲間の税理士の方々との共著です。
一緒に書いた方々の記事が素晴らしく、いい仕上がりになりました。
発売が楽しみです。
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