「AIに負けない!凄い税理士・会計士」ってどんな凄い税理士・会計士だ!?

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発売日(2017年11月20日)から2日遅れで週間エコノミスト「AIに負けない!すごい税理士・会計士」を読みました。

Kindle Unlimited読み放題をご利用の方は、読み放題の範囲内で読むことができます。

私も読み放題で読みました。

AIに負けない!凄い税理士・会計士とは?

クラウド会計が経理・会計事務所に与える影響

この手の記事のありがちなクラウド会計で入力作業が自動化され、経理人員は大幅に必要なくなるとか、会計事務所の記帳代行はピンチになるといった内容でした。

確かに、負担は楽にはなるだろうし、記帳代行の入力作業しかできないという方への需要は下がっていくでしょう。

でも、記帳代行の入力しかできない税理士・会計士っていないはずですし、そこに付加価値はないでしょう。

会計は処理に幅があるので、その企業の実態に合わせてカスタマイズして運用するものです。

月次損益を平準化して月次単位で会社の状況を見たい企業、経営が安定しているのでとりあえず事業年度末の財務諸表さえ正確なものが出来ていれば十分な企業、銀行からの融資を見据えた財務諸表としたい企業、原価計算を精緻に行いたい企業、税務会計で十分な企業、会計監査が入る企業、本国向けにUSGAAPやIFRSで記帳しているが事業年度末だけ会社法計算書類を作るために会計基準の差異を調整して日本基準の財務諸表を作っている企業と様々です。

前提となる会計の知識なしで自動化してしまったら、目的に合致しない会計データができあがってしまうのです。

クラウド会計で経理が劇的に楽になるというのは、現時点では幻想にすぎません。

自動仕訳機能を上手く利用している方は、手入力が減って効率化できているのでしょうが、まだまだ日本ではITリテラシーの高い方は少数派です。

従来のインストール型の会計ソフトの方が使いやすいという方も多いので、クラウド会計がいいとはかならずしも言い切れません。

クラウド会計が何が何でもいいというわけではなく、向き不向きに合わせて選択すればよいだけのことです。

選択肢が広がったという意味では、クラウド会計の普及は大いなるインパクトを与えたと言っていいでしょう。

私自身は、手入力が苦手なので、クラウド会計推進派です。

人手不足の会計業界

税理士・会計士という職業は、AIにとって代わられるものと言われている影響のせいなのか、単純に業界として魅力が低下しているのか、税理士・会計士ともに志望者が減ってきています。

既存の会計事務所モデルといかに勝負するか?AIに負けない会計事務所を作るために
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AI(人工知能)が発達すると税理士は必要なくなるのか?
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しかし、会計業界では、今、人手不足に陥っています。

人を採用したくてもなかなか採用できないという状況なのです。

AIにとって代われると言われながらも、実はと言うと人手不足って、なかなかの皮肉です。

凄い税理士・会計士とは?

これから消えていく会計事務所は作業を中心とするところで、伸びていく会計事務所はコンサルに注力しているところとの記事もありました。

ここで気になったのは、次の一言です。

ビッグ4系事務所以外の伸びている会計事務所は、コンサルティングに注力しており、採用に当たっては、「会計・税務の専門能力よりも、人とうまくコミュニケーションをとれるかを重視」している傾向にあるということです。

「会計・税務の専門能力」<「コミュニケーション能力」

これは、ある意味、大きな危険を秘めています。

会計・税務の専門能力の欠けた人材が、巧みなコミュニケーション術で、いかにもすごいコンサルティングを実施しているように見せて実は間違ったことを教えていた

ということになりかねないのです。

この伸びている会計事務所の中には、営業にばかり力を入れていて、業務や人員を拡大しているけれども、サービスが追い付いていないというところもあるのではないでしょうか。

私が会社員だった時に、この伸びている会計事務所に挙がっているところと契約のある子会社があり、かなりいい加減な税務サービスを受けていたことがありました。

税理士や会計士の業界では、専門分野と呼ばれる分野だけあって、クライアントに十分に仕事内容を理解してもらうことが難しいということがよくあります。

すると、伸びている会計事務所によっては、下記のような方針をとっているところもあるのではないでしょうか。

「会計・税務の専門能力」<「営業力」

この記事では、残念ながら、税理士がどういう専門能力があり、その専門能力をもった税理士がどう活躍しているかが描かれていません。

抽象的に、これからはコンサルティング業務だ!といっているにすぎず、凄い税理士・会計士というものが結局分からずじまいの記事でした。

経理は300人に0.8人でOK?

クラウド会計押しの記事だったので、ついでに株式会社freeeが言っている

「300人規模なら経理は0.8人でいい」

に物申したいと思います。

まず、経理ってどこからどこまでが経理なのか?ということ。

経理部の業務範囲は、会社によって様々です。

給与計算などの人事系の仕事が含まれていたり、資金調達などの財務系の仕事が含まれていることもありますし、事業計画を作ったり、M&Aに関与する経営企画の役割を担ったりと色々です。

「300人なら0.8人で十分足りる」というインパクトのあるキャッチコピーで、会計freeeを売りたいという宣伝文句という意味が強いのでしょう。

会計freeeは事務所経理にも使っていて個人的には会計ソフトとしては気に入っているのですが、営業がガツガツしすぎているところが残念なところです。

そして、実際に経理を300人の会社に1人だけしか配置しなかったら、相互けん制機能を果たせるのかということです。

経理は、会社のお金の動きをもっともよく見ている部署です。

従業員が不正をしていて会社のお金を使い込んでいないか、怪しい企業との取引はないかといった不正防止の機能も経理部は果たしています。

それを1人に任せてよいのでしょうか。

また、経理にお金の権限がある場合、それを1人に任せるよりも2人担当者を置いたほうが、その権限を悪用しない監視役になるのではないでしょうか。

1人だと休みがとれないとか、休職や退職時に混乱をきたす可能性があるなど、会社としてのガバナンスにも問題が生じる可能性があります。

経理はどちらかというと会社では嫌われ者の役割を担うことが多いので、「経理ってあまり人いらないよね」というキャッチコピーは受けがいいのでしょう。

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【編集後記】

童顔のせいなのか、しっかりしてなさそうに見えるのか、実際よりも若く見られることが多いです。

今日、保険会社の方から言われたのは、

「お若いのに独立されてすごいですね。先生は、この先30年、40年とご活躍されると思いますから…」

ん?30年?40年??

30年経ったら69歳。30年経ったら79歳。

どうやら、20代後半と思われていたようです。

私が思うに、20代後半の人と比べると肌つや、お腹のメタボ具合などで大きく見劣り、とても20代後半には見えないと思うのですが…。

職業柄、若く見えるとかえって不利なので、もっと堂々とした態度で偉そうにでもしたほうがよいのかもしれませんが、そういうのも好きではなく…。

やっぱり、愚直にやっていくしかないんでしょうね。

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------※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。---------

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