AI(人工知能)が発達すると税理士は必要なくなるのか?

2017年6月13日


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英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授が発表した論文でAIの発達により10年後に消える仕事として挙げた702の仕事には、次の項目が含まれています。

  • 税務申告書代行者
  • 簿記、会計、監査の事務員

ということは、税理士や会計事務所の仕事というのは、今後、需要が減っていき、なくなっていくということなのでしょうか。

クラウド会計にお任せして出来ること、出来ないこと

定型的な取引はクラウド会計が得意!

クラウド会計は、AIによって学習をし、使えば使うほど適切な会計処理が可能になるというものです。

ですから、下記のような取引については、手入力するよりもクラウド会計に任せたほうが効率的と言えます。

  • Misoca、会計freee、MFクラウドなどで作成した請求書(売上げ関連)
  • レジとの連動による日々の売上計上
  • 水道光熱費などの定常的な支払(インターネットバンキングの利用による自動取込み)
  • Suicaとの連動による電車代、バス代の自動計上
  • 従業員の立替経費の精算
  • 給与計算ソフトとの連動

頻度の高い取引については、クラウド会計の活用によって、効率化を図ることができます。

記帳代行をメインにしていると、クラウド会計の発達により、業務の縮小や単価の引き下げといった事態と闘わないといけない日がくるかもしれません。

クラウド会計でできないこと

クラウド会計のAIは、性善説をとっています。ですから、クライド会計で読み取った領収書は、何でも経費にしてくれます。

プライベートの飲み会の領収書もちゃんと交際費として処理してくれます。家族旅行も福利厚生費として処理してくれます。

売上を除くことも、架空売上をあげて粉飾をすることも、簡単にできてしまいます。

そうです。クラウド会計には、不正会計や脱税をしたいという悪魔のささやきを止める抑止力としての役割を果たすことができません

また、現状のクラウト会計では、契約書を読み込んで判断をするということができません。

売上を計上する日はいつにするべきなのか、ビルを建てた時の工事明細をどう会計処理すればよいのか、外注費の支払は源泉徴収するべきなのか、会計税務の悩みに答えてはくれません。

税務調査がきたらどうなるのでしょうか。相手は、税務を知り尽くした調査官です。その調査官を相手に、AIで対抗できるのでしょうか。

税務調査官からの質問に、

「領収書をスキャンしてAIが提案した通りに処理しましたから、これで合っているはずです!」

と主張して、税務調査を乗り切れるのでしょうか。

税務調査をAIで乗り切るのは困難です。税務調査を乗り切るためには、調査官と交渉できる税理士が必要です。

AIが進化しても職を失わない税理士になる

過去既に起こった出来事を間違いなく処理をするということには、期待されず、そして、それに対しては高い報酬が望めないという時代になりつつあります。

実際には、税法は奥が深く、ベテランの経理担当者でも十分に理解できていないことが多く、税務調査でもまったく議論が起こることもなくすべて是認ということは多くはないのですが、世間一般にはなかなかそうは認知されていないようです。

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ただ、お客様に満足していただけるということを考えるのであれば、やはり、過去のことだけではなく、将来取り得るべき行動について選択肢を与えることができる見識が必要になります。

また、現状をいかに改善していくか、そして、そのためのアドバイスを送ることが出来るのか?ということが大切です。

同じやり方に固執して、現状を変えることができないという姿勢でいると、時代の波に取り残されてしまいますので、変化を恐れない、そして、現状で満足することなく、常に向上していくという姿勢で税理士業務にあたる必要があります。

AIによって仕事が消えてなくなる?

AIの発達による税理士業務の影響というのは、将来的には起こりうることです。しかし、それを真に受けて右往左往するのは、どうかと思います。

AIによって消えていくと言われている仕事は税理士業だけでしょうか。いいえ、そのほかにも山ほどあります。数多くの仕事が徐々にAIに仕事を奪われることになります。

では、AIに仕事を奪われたらどうなるのでしょうか。

マイナス思考で考えると、仕事がなくなり、お金がなくなり、生計を立てることが出来ずに困窮した生活になってしまうということなのでしょう。

しかし、多くの人の職が失われてしまうと、それは社会問題となってしまい、人間社会を揺るがすような事態になってしまいます。

そのような事態は国家が何も策がなく、容認というわけにはいかないでしょう。

人が職を失うことがないよう、AIを上手く生かすにはどうすればよいか。プラス思考に考えれば、方向性としては労働時間の縮小ではないでしょうか。

「週5日40時間プラス残業」が当たり前の世の中が、「週1~2日、10~20時間労働」で問題なく食べていけるという世の中になるのかもしれませんよ。

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【編集後記】

日曜日は、1週間早めだけど、父の日のプレゼントを渡しに実家を訪れました。プレゼントしたのは、「かしゆしウェア」です。東京でも着やすいデザインになっていて、かりゆしウェアの快適さを備える優れものです。

また、実家近くの行き付けのブルーベリー園がちょうどオープンしましたので、早速、ブルーベリー狩りに訪れました。無農薬で栽培しており、安心して子供に食べさせることができます。こだわりの有機農法であり、味も抜群です。

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