NHKスペシャル「AIは天使か悪魔か」を見て思う、これからはAIとの付き合い方が大事

2017年6月29日


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昨日、たまたまNHKスペシャル「AIは天使か悪魔か」を見ました。2017年6月現在、人工知能は、将棋においても囲碁においても、人間を寄せ付けない強さを身に着けました。この先10年、人工知能によって働き方、生活の仕方、色々なことが変わっていくのではないでしょうか。もちろん税理士業務も。

AIの発達により会計事務所の仕事で影響を受けること

記帳代行はピンチ⁉

会計事務所の業務で大きなウエイトを占めると言われている記帳代行。お客様から領収書や銀行口座の情報などを受け取り、会計ソフトに入力して、試算表をお客様へお届けするという業務は、AIの発達により規模が縮小していくと言われています。

今はまだまだ、スキャナの読み取り制度が低く、仕訳の推測も的外れなことも多いですが、ゆくゆくはスキャナで読み込めばほぼ正しい処理ができるようになるのではないかと思います。

領収書をみて、職員が入力⇒クラウド会計ソフトで自動で仕訳

領収書の9割以上は、処理はそれほど難しくなく、税理士が判断すべきポイントというのは、あまり多くはありません。ただ、領収書を見ただけではどのように処理すべきかが判断できないものがいくつか出てきます。そして、その部分が、税金に与える金額的影響が大きいのです。

不動産の賃貸や売買、内装工事の処理、リース取引に該当するかどうかの判定などは、領収書1枚で判断できるものではなく、契約書を読んで判断しなければなりません。

AIの発達によって自動仕訳が進めば、簡単な会計処理は自動化されるので、税理士は、本来取り組むべき税務処理に注力できるようになります。

では、契約書もAIで読み込んで自動判定できるようになったらどうするかですが、NHKによると、AIではその判定は行うものの、その理由を示すことができないそうです。ですから、AIで下した判定を検証し、その理由付けを行うということが税理士に求められることになるのでしょう。

税務申告はどうなの?

現在、会計ソフトと税務申告ソフトは、その連携が十分ではなく、会計ソフトでの情報を税務申告ソフトでの活用が進んでいません。個人的には、税務申告ソフトは、どの会計ソフトを使用したかに関係なく、会計ソフトからエクスポートしたcsvファイルを読み込んで、税務申告にリンクさせることができればいいなと思うのですが、そういったソフトで正確に税務申告ができ、信頼のおけるソフトが見当たりません。

これもAIが発達すれば、会計データを取り込めば、税務申告が自動的に完成といったようになるのではないでしょうか。

とはいえ、やはり、答えだけ出されても、それだけでは税務調査に太刀打ちできません。なぜそのような申告書になったのかが理由付けできる必要があります。そして、税務というのは答えが一つではなく、選択肢があることも多々あります。どの選択肢を選べばよいのか、また、どういった状況であればその選択肢が選べるのかといったところで、税理士の活躍する余地が残されています。

AIが発達しても会計業界で生き残っていくためには?

面倒くさい記帳代行業務。人の手で入力していると、やはりそれなりに手間暇がかかります。その手間暇で今は、お客様から報酬を頂けているのですが、AIによって手間暇がなくなれば、その仕事はなくなっていきます。

すると、仕事になるのは、記帳代行をすることではなく、AIによる記帳代行システムの導入を支援することや節税の提案などのコンサルティング業務といったものになるのでしょう。

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【編集後記】

昨日は、3月決算の申告業務がひと段落。あとは、ひたすら電子申告により送信するのみです。

【昨日の一日一新】

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