林義章税理士事務所の仕事のスタンス

2016年9月9日

——※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。———

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2016年8月、私は大手証券会社を退職し、税理士として独立しました。今後、どのようなスタンスで税理士事務所を運営していくか、取りまとめてみました。

johnhain / Pixabay

法令順守

「ルールを守ること」、「正直であること」というのは、私が大事にしている信条の一つです。ズルや人を騙して一儲けするということが好きではありません。ごまかして成功しても、その後大きな落とし穴にはまって転落してしまうことも少なくありませんし、たとえバレずに上手くいったとしても、後ろめたい気持ちを持ち続けながら生きていくことがよいとは思えません。

税理士事務所としてのポリシーも同様です。合法的に節税し、粉飾しなくても黒字というように、胸を張って誇れる会社を作る手助けをします。

脱税はしない、節税をする

税理士とは、法律の専門家です。税法を正しく理解し、納税者が適正に納税義務を果たすことが税理士の使命とされています。

ですから、税理士が「この現金売上は帳簿から抜いちゃいましょう」(これを「売上除外」といいます。)とか、「架空の経費を計上しちゃいましょう」とか、「この収入、申告しなくてもばれないですよ」というような脱税指南をしていまいますと、税理士業務の禁止などの懲戒処分が課され、国税庁のホームページに氏名が公表されてしまいます。

そもそも、脱税は納税者にとってもリスクが大きいものであり、発覚した時には本来の納税額に加えて、本来の納税額の35%または40%相当額の重加算税というペナルティーが課され、最悪の場合、刑事罰が科されてしまいます。税理士としては、納税者が安易な気持ちで脱税しようとするのを防ぐというのが大事な役割の一つと言えるでしょう。

しかし、税理士は税務署ではなく、納税者の味方です。「この支出は経費にできますよ」とか、「法人税法●条の規定を適用すれば、これだけ税金を少なくできますよ」という節税のアドバイスは、税務署はしてくれません。納税者のために合法的に節税のアドバイスをすることができるのが税理士です。

粉飾決算はしない、会社の黒字化を支援する

銀行からの融資を受けるために決算書をよくしたい、そのために粉飾決算をしているという会社もあるようです。税務という面で見た場合、本当は赤字の会社なのに黒字としていて税金を払っているわけですから、さらに追徴課税されてしまうというリスクはないでしょう。

しかし、粉飾決算をしてしまうと本当の会社の姿が見えなくなってしまいます。行うべき経営改善策を先延ばしにし続けると経営危機に陥る可能性も高まります。ありのままの決算書を見ながら、本当に必要な経営改善策を模索していくことが大事ではないでしょうか。危機を先送りするのではなく、現実として受け止めてその危機に立ち向かって乗り越えていくことが大事であり、それに寄り添いサポートする税理士事務所が私の目指しているところです。

クオリティーの高い税務サービスを提供する

事務所の規模の拡大<クオリティーの向上

一般的には、お客様をたくさん獲得し、従業員の人数を増やしていき、知名度の高い会計事務所になるというのが税理士としての成功モデルとされています。ここ最近は、税理士になって開業しただけでは食べていけないという時代になってきましたので、独立開業を目指す税理士向けに開業支援セミナーといったものが行われています。そこでは、「1年で顧客を50件獲得」、「5年で30名規模の事務所へ成長」、「面談した時の契約率80%」という税理士が講師として招かれて講演を行います。

しかし、規模の拡大というのが本当に税理士の成功モデルで、私の目指すべきところなのかというと、疑問が残ります。規模を拡大するときに必ずと言っていいほど、直面する問題がクオリティーの維持です。

急成長している会計事務所は、従業員数も急成長させないと業務が回りません。ただし、入ったばかりの従業員の急成長して所長の税理士と同じクオリティーの仕事をするというのは困難です。そして、人を雇えばその分仕事をとってこなければいけませんから、リソースをより営業に向けなければなりません。

私が重視するのは、お客様へ提供する税務サービスのクオリティーです。お客様の相談事に対して適切なアドバイスをし、役に立つ情報を提供して、お客様の利益を最大化することを大切にしたいと考えています。「税務は難しくてよくわからないから、税理士さんに全部お任せ」という状況では、最善の税務サービスを提供するよりも、営業による最高のおもてなしをしたほうが良いのかもしれません。それでも、私は愚直に最善の税務サービスを提供することを追求し、それを評価していただけるお客様とお付き合いしていきたいと考えています。

専門用語は多用せず、丁寧にわかりやすく説明

税理士として勉強をしていると、ついつい会計用語や税法の言葉を一般用語のように話してしまいがちです。そして、専門用語を使うことで拒否反応を起こしてしまい、本来理解できるはずのことが理解できない、ということになりかねません。専門用語をなるべく使わず、わかりやすく伝えるということを心掛けています。

M&Aや国際税務、連結納税にも対応

前言を翻るかのようにいきなり専門用語を並べていますが、クオリティーにこだわっていますので、M&A(企業買収)、国際税務(日本と外国で取引があった時の税務)、連結納税(100%支配関係があるグループ会社の利益と損失を通算して一つの納税者として法人税の納税を行うこと)といったややこしい税務も取り扱っています。

お客様とWin-Winの関係を築く

税理士は先生ではない、一種のサービス業

税理士登録をしたときに税理士会へ行って感じた最初の違和感が「先生」と呼ばれることでした。私のことをよく知らない人が税理士ということだけで「先生」というひな壇に担ぎ上げているという印象があります。職業を選ぶときにいろいろな選択肢があって、私はその中で「税理士」というのを選択しただけであって、それが偉いものだとは感じたことがありません。年収も大学時代の同級生と変わらないですし…。

税理士という資格を持ちつつも、大きな税理士法人に在籍していたので、お客様から「先生」と呼ばれることは滅多にありませんでした。その後、経理部、投資銀行部で他の社員と同列に働いていて、普段は「さん」付けで呼ばれていましたし、「先生」と呼ばれるときは揶揄われているときや面倒な相談をされるときだけでしたので、「先生」という響きにはついつい違和感を感じてしまいます。

「先生」と呼ばれるのに慣れてしまって、それに勘違いして偉そうにしている年配の税理士にはなりたくないので、その違和感をそのまま持ち続けていこうと思います。

税理士という一つのサービス業を選んだだけですので、私のことは「さん」付けで気軽に呼んでいただければと思います。

もちろん、税理士というのはお客様の機密情報を扱っているため、守秘義務も負っていますし、高い倫理観が必要な職業です。「さん」付けで呼ばれたとしても、税務のスペシャリストという仕事に対する自負や責任感は持っていますので、ご安心ください。

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上から目線はやめ、お互いに認め合う関係に

私が好きでないこと、それは「上から目線」です。税理士は偉いと勘違いして上から目線でお客様と接する税理士にはなりたくないですし、税理士は誰がやっても同じ、領収書の束を渡して適当にさばいてくれればいいという考えの経営者も好きにはなれません。

もし私が相手の立場だったらと考えると、会社の経営者の方の仕事は真似の出来ないことをやっていると思いますし、同じようには成功するのは難しいなと考えています。ただ、それができない分、私の税務の専門知識を生かしてお客様へ最高のサービスを提供して貢献していくのが私の税理士事務所としての使命と心得ています。

それぞれ得意分野が違うだけですから、どちらが上でどちらがしたというものはなく、それぞれが得意な役割を担ってよい関係を築いていきたいものです。

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【編集後記】

ようやく新しい保険証を手にしました。これで、安心して病院に行けます。会社設立直後に社会保険の手続きを行っても、保険証が届くまで数週間かかりますので要注意ですね。

【一日一新】

新規のお客様の事務所で新規の業務をスタート

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