【2017年度税制改正案】法人の確定申告は決算日から2か月以内までに必ずしなければならない!?延長が可能な場合も!

2017年6月20日

——※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。———

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※ 本記事は、2016年12月までの情報に基づく記事です。法人税の確定申告期限の延長については、下記リンクの記事が2017年度税制改正を踏まえた最新の記事になります。

https://www.ysk-consulting.com/extension-of-the-due-date-of-final-tax-returns/

11月19日の日経新聞によると、政府は2017年度から法人税法の改正で企業の稼ぐ力を向上するための後押しをするとのことです。その税制改正の「3本柱」は、以下の通りです。

  • 事業再編(スピンオフをした場合の課税の繰り延べの措置を拡大)
  • 役員の利益連動報酬(現在は利益連動報酬が損金算入されるのは上場会社の役員だけだが、これを上場会社の子会社の役員へ拡大)
  • 法人税の申告期限の見直し

いずれも大企業向けの税制改正ですが、3つ目の法人税の申告期限の見直しについては、中小企業も活用できる余地があります。

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法人の確定申告期限は?

【原則】事業年度終了の日の翌日から2月以内

法人税の確定申告期限は、事業年度終了の日の翌日から2月以内と規定されています。

ただし、確定申告期限の日が土日祝日に該当する場合には、これらの日の翌日が申告期限となります。

例えば、決算日が3月31日の場合、確定申告期限は原則として5月31日になります。

決算日が10月31日の場合には、12月31日は休日扱いとなり、1月4日が確定申告期限となります。ただし、1月4日が土曜日であれば、1月6日が申告期限になります。

【会計監査を受けている会社】1月の延長が可能

会計監査を受けている会社の場合、通常、監査の関係上、決算は事業年度終了の日から2か月以内には確定しません。3月決算の場合には、4月下旬~5月上旬に決算発表を行い、6月上旬から下旬にかけて定時株主総会により決算が承認されます。3月決算の多い日本では6月最終週には大企業の株主総会が集中しており、問題視されています。

会社法上では定時株主総会の設定は柔軟に行うことが可能なのですが会計監査を受けている会社については、法人税の確定申告期限を1月延長することが可能としているため、会社は定時株主総会を決算日以後3月以内に開催する必要に迫られ、6月下旬に株主総会が集中する結果となっているのです。

2017年度税制改正の方向性

2017年度税制改正では、株主総会を決算日から3月以上たった後に開催したい企業に対して、その確定申告期限の延長を認める方向とのことです。

これまで決算後の3か月は残業が多かった経理担当者の負担が軽くなるといいですね。

※ 12/12 追記

2016年12月8日に公表された与党税制改正大綱によると、会計監査を受けている会社については、法人税の確定申告期限を2月延長することが可能になるとのことです。なお、2月延長を行うためには定款等に定められている定時株主総会の開催時期を事業年度終了の日から3月を超える日とする必要があります

例えば、会計監査を受けている3月決算の会社の場合、定時株主総会の開催時期を7月とすることで、確定申告期限を7月末とすることができるようになります。

2017年度税制改正前でも2月以上延長できることもある

ちなみにですが、2017年度税制改正前でも2月以上の延長ができるケースがあります。それは、下記の場合です。

連結納税制度を採用している場合

連結納税制度とは、100%の連結完全支配関係がある法人を1つの法人とみなして法人税の確定申告を行う制度です。グループ内に赤字と黒字の会社がある場合、その赤字と黒字を相殺して法人税額を計算しますので、税額を引く抑えることが可能です。単体の法人での申告に比べて手数がかかりますので、2月までの申告期限の延長が可能です。

3月決算法人であれば、本来の確定申告期限は5月31日ですが、延長申請をすることにより確定申告期限は7月末まで延長されます。

外国法人の場合

外国法人が日本に支店を設けている場合、その日本の支店の決算は、その外国法人の株主総会等によって確定します。諸外国では決算日から定時株主総会開催日までの期間が4~5月程度となっているため、それに合わせた確定申告期限の延長が必要です。

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親会社の決算が確定しないためとのことで延長申請を行えば、通常、申告期限の延長が可能です。

災害があった場合

大地震などの災害があった場合や個別に災害の被害を受けた場合などについても、確定申告期限の延長が可能です。

会計監査を受けていない中小企業は1月延長が可能か?

中小企業の場合、一般的には2月以内に定時株主総会を開催して(開催していなくても開催したものとみなして)、2月以内に確定申告を行っています。会計監査を受けていないのだから1月延長はしないということなのでしょう。

しかし、決算が確定するのは定時株主総会です。定時株主総会の開催時期がいつになるのか定款で確認してみましょう。

開催時期が決算日以後2月以内となっている場合には、法人税の確定申告期限内ですから、確定申告期限の延長は難しいでしょう。

しかし、開催時期が決算日以後3月以内となっている場合には、定時株主総会の開催時期が決算日から2か月経過した後となると決算が確定しないため、確定申告期限の延長が可能になります。

確定申告期限の延長のメリットと注意点

確定申告期限延長のメリットは、何よりも時間的な余裕ができることです。2か月以内に確定申告を終わられる必要はないのです。

ただし、注意すべきなのは、確定申告期限までに法人税額を納付しないと、その不足分については利子税という税金がかかってしまうことです。利子税が課せられないためには、最終的に確定する法人税額と同額か、それを上回る金額を本来の確定申告期限(事業年度終了の日の翌日以後2月以内)までに納付する必要があります。

なお、確定した税額が納付した金額よりも少ない場合には還付されますので、本来の確定申告期限までに税金計算が終わらない場合には、多めに納税しておくとよいでしょう。

税理士としても、3月決算のように確定申告が集中する時期には、確定申告期限の延長があるとありがたいものです。

明らかに赤字になる法人は2月以内に税額計算をする必要はありません。黒字が予定される法人についても、税額計算さえ2月以内に終わられておけば、残りの書類作成は残りの1月で作成すれば済むようになります。

まとめ

昨今、過労死問題、女性の社会進出などから、長時間労働を前提とした働き方を変えていこうという機運があります。

諸外国と比べて法人税の確定申告期限が短いことで、多くの経理担当者、会計事務所の職員が決算シーズンには連日のように残業をしています。

確定申告期限の延長が柔軟化されることで、多くの方の働き方が改善されるといいですね。

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【編集後記】

このブログを通じて知り合った会計士の方とランチに行きました。まだまだブログのビギナーですが、ブログを通じて出会いが広がっていくのを実感する今日この頃です。

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