税理士として独立して変わった仕事への意識

2020年4月5日


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ThePixelman / Pixabay

昨年の8月に会社を退職し、税理士として独立してから8ヶ月が経ちました。独立してから生活スタイルなど色々なことが変わりましたが、特に変わったと思うのが仕事に対する意識です。

営業が苦手な私に出来ること

営業の素質なし

私はこれまで営業の仕事の経験がありませんでした。そして、営業の素質も無さそうです。

新卒の頃、少しだけ就職活動をし、会計ソフトメーカーの営業職を希望して面接を受けて内定をもらいました。しかし、ソフト開発での内定でした。苦手克服のための営業職希望でしたが、どうやら見破られていたようです(^_^;)

企業の見る目は侮れません。

その後の仕事の変遷を見てみても、お客様と接する仕事ではあるものの、売り込む仕事には就いていません。基本、契約締結済みのお客様へサービスを提供する仕事ばかり(資格の学校の講師、税理士法人のスタッフとしての税理士、M&Aバンカー)です。

長所を伸ばす!

独立した以上、営業は避けては通れません。当初は、営業下手の自分に自己嫌悪になったりもしました。

交流会に参加しても、嫌な気持ちになって、家に帰った後に妻に愚痴をこぼしていたことも少なくありません。

  • うちの税理士は月15,000円で決算料なし。領収書丸投げでやってくれていい税理士なんだよ

とか

  • ついこの間、税理士と契約したよ。ノリのいい税理士で気が合いそうだったからね~

とか

  • 税理士?青色申告会で間に合ってます~

とかいうのに打たれていました。今、思うと気にする必要なかったのでしょうが。
交流会で仕事を獲得する確率は、上手な方は高いのかもしれませんが、売りたい方が中心ですので、通常は高いはずがありません。
私の場合、交流会でよい出会いがあったり、仕事を頂いたりしましたので、メリットは享受できたとは思います。ただ、どんな人と話をするかは運次第なので、ストレスがあるのは覚悟の上で参加しないといけないということですね。

独立して8か月経って頂いたお仕事をみると、上記のようなコメントをいうような経営者からの仕事は全くありません。そして、それでも食べていくのに十分な収入が得られるようになりました。
格安で薄っぺらいサービスよりも、しっかり検討してベストな提案をもらうことを好むお客様、租税条約の届出書の提出が必要だったり、M&Aがあったり、連結納税関連だったりというお客様、前の税理士の対応に不満があるお客様へのサービスが中心で仕事をとることができています。

  • よくわからないけど、話してて楽しいから税理士として契約しよっと
  • 税理士?安けりゃいいだろ!
  • 税金何てバレなきゃごまかしていてもなんとかなるんじゃん?

といった考え方の方とは、契約していません。こっちが契約したかったとしても、向こうから選ばれることもなさそうですが。。

基本的に、求めているサービス水準が高めのお客様が多いため、身の引き締まる思いで仕事に取り組んでいます。先日、読んだ『ストレングス・ファインダー2.0』で発見した私の強みである「責任感」、「慎重さ」、「分析志向」といったことが試される仕事ばかりです。

https://www.ysk-consulting.com/strengths-finder/

無意識のうちに自分の強みにあった仕事を引きつけていたということなのでしょう。

これからも、無理な売り込みをすることなく、ブログで自分の強みをしっかりと開示して、成し遂げた仕事に満足していただくことで次の仕事につなげていくということになるのでしょう。

独立して変わった仕事への意識

これまで述べてきたように、営業トークはいまいちな私なので、会社員時代も仕事の成果やクオリティーで評価されるよう取り組んできました。そして、その仕事の成果やクオリティーを重視する上司には評価をしてもらいました(自分への忠誠心、媚び諂い度合によって評価する上司からはひどい仕打ちを受けたことも…)。

独立前においても仕事へのクオリティーにはこだわってきていたのですが、それでも、独立することでその意識は大きく変わりました。

独立前の仕事のクオリティー

独立前の仕事のクオリティー、それは今思えば、限られた範囲内でのクオリティーでした。すでに契約が決まった仕事をするわけですし、その契約があるのは「Big4」の税理士法人だからとか、「三大証券会社」の一角の証券会社だからとか、会社の看板という信頼を背景にした仕事でした。

その当時はベストを尽くしたつもりですし、間違いのない仕事をしてきたとは思いますが、やはり、自分の会社の「看板」に甘えていたところがありました。何か問題が生じたとしても、責任を取るのは上司という安心感もありました。

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独立後の仕事のクオリティー

独立すると、もう立派な「看板」はありません。自分の名前で仕事をとってくるわけですから、自分に至らないところがあれば、それは自分に降りかかってきてしまいます。簡単に仕事がとれてしまう立派な看板がないうえに、信頼もゼロから築いていかなければなりません。

責任を取ってくれる上司もいません。仕事の責任は自分でとるしかありません。会社という枠の中で、その中での自分の役割という限られた中での仕事のクオリティーでは不十分で、与えられた仕事を確実にこなすだけではなく、いかにしてお客様の役に立てる情報を伝えられるか、役に立てる提案ができるかという意識で仕事を行うようになりました。

まとめ

私は税理士の資格を取得したのが2008年ですので、それから独立するのに8年かかりました。そして、独立してわかったのが、仕事をとるためには「強み」を伸ばすこと。そして、独立することで責任感が増し、仕事のクオリティーをあげることができる、成長することができるということです。

「独立したい」と思うのであれば、躊躇する必要はありません。もっと修行してからと会社にいるよりも、独立してしたほうが一気に成長することができます。

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【編集後記】

「ゴールはケチャップみたいなもの。出ないときは出ないけど、出るときはドバドバ出る」とサッカー日本代表の本田圭佑選手が言っていました。
これが私の仕事にも当てはまっているみたいで、「仕事がないときは本当にないけど、来るときはドバドバ来る」

今週は、税理士業、頑張ってます!!

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