税理士が受ける研修とは?税制改正で毎年変わる税制にキャッチアップするために

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平成27年度から税理士には36時間の研修を受けることが義務付けられました。

平成30年度からは受講時間が「税理士情報検索サイト」に掲載されるとのことです。

税理士が受ける研修の種類

36時間の研修時間に含まれるもの

税理士が義務付けられている36時間の研修に認定されるものは、下記の通りです。

参加方式

研修の種類

会場参加方式 会員研修
認定研修
その他の研修
マルチメディア方式 会員研修
研修の講師として参加 その他の研修

会場参加方式は、基本的には、研修講師が講義をし、それを聴講するというスタイルです。

会員研修は税理士会が主催するもので、中野サンプラザ、東京税理士会館などの数百人規模を収容できる会場で行われますので、寝ている方もチラホラ見かけます(笑)

会員研修は、後日、税理士専用のサイトで公開されるので、事務所や自宅で受講して研修の認定を受けることも可能です。

認定研修は、民間の団体が開催する研修で、税理士会の認定を受けたものです。

税理士会の中の任意団体やエッサムなどの民間の会社が行う研修が該当します。

会場で受ける会員研修や認定研修は、受講時に単位認定されますが、それ以外の研修は自己申請する必要があります。

その他の研修とは、以下のものをいいます。

  • 大学、公的機関又は税務関連学会及び民間団体が実施する研修で認定を受けていないもの
  • 日本弁護士連合会、日本公認会計士協会その他の士業団体が実施する研修
  • 他会が認定した研修
  • 一定の研修の講師を務めたときは「その他の研修」とみなして、当該研修時間の3倍の時間を受講時間に算入します。

その他の研修は、上限が18時間と定められています。

36時間の研修時間を満たすためのハードル

36時間の研修時間を満たすための一番のハードルは、認定研修の数が少ないことです。

民間の会社や税理士法人などが税理士向けに行っている税務に関する研修は毎日のようにメルマガで受信するのですが、そのほとんどが認定研修ではありません。

そのため、こういった研修を受講しても、研修時間の36時間にはカウントされないのです。

その他研修として自己申請すればよいのかもしれませんが、認められるかわからないし、そもそも自己申請が面倒くさいので、自己申請しやすいマルチメディア研修以外は自己申請していない方が多いのではないでしょうか。

税理士向けに行っている民間の研修が認定研修になってくれれば36時間の義務を果たすのはかなり楽になるのに、と思ってしまいます。

ちゃんと品質維持のために努力しているわけですから。

認定研修となるのって、難しいのかもしれません(そのへんの詳細は私にはわかりません・・・)。

税制改正にキャッチアップするための研修

国会議員講演による税制改正研修

毎年2月、東京税理士会・東京税理士政治連盟主催の与党税制調査会の方などの国会議員を招いた合同セミナーが行わています。

本日(2018年2月2日)の合同セミナーでは、元外務大臣で自由民主党政務調査会長の岸田文雄氏が講演をされました。

昨年は税制への取り組みを行っている自民党税制調査会会長の宮沢洋一氏の講演だったため、税制改正の経緯や今後の税制改正の方向性について本人の言葉でお話をされていて聞きごたえがあったのですが、それと比べると堅実に用意された原稿を読む(国会答弁のような?)講演であり、やや物足らない印象でした。

戦後2番目に長い任期を務めた元外務大臣ですから、当然と言えば当然ですが。

平成30年度税制改正合同セミナーの概要

本日の合同セミナーで岸田氏の講演で取り上げられた税制改正のテーマは、以下の通りでした。

給与所得控除・公的年金等控除額の10万円の引き下げ及び基礎控除の10万円の引き上げ

給与所得控除については、実際の勤務関連経費を大幅に上回る水準であり、諸外国の水準と比べても圧倒的に高いということで、ここ数年の税制改正でも限度額を設けるなど引き下げの方向で改正されています。

今回の改正では、控除額が頭打ちとなる給与収入を850万円超に引き下げ(これまでは1000万円超)となる予定です。

ただし、23歳未満の扶養親族がいる子育て世帯や特別障碍者控除の対象である扶養親族等を有する介護世帯には負担増が生じないよう措置がされるため、約96%の方には負担増とはならないとのことです。

公的年金等控除額についても、控除の上限が設けられることとなりました。

対象となるのは下記の者であり、影響を受けるのは年金受給者の0.5%程度とのことです。

  • 公的年金等収入が1,000万円を超える場合
  • 年金以外に高額の副収入(1,000万円超)がある年金受給者

基礎控除については、生活保障的意味合いのものであることから、高額所得者(2400万円超)に限って、控除を逓減。消滅させるとのことです。

こちらも対象者は0.3%ということで、影響を受けるものが少ないとのことです。

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法人税制改革

法人税制については、下記の税制改正が行われる予定です。

  • 賃上げ・生産性向上のための税制(賃上げ3%以上などの要件を満たした企業への減税)
  • 生産性革命の実現に向けた償却資産の特例措置(一定の設備投資について固定資産税が3年間ゼロ~通常の税率の半分となる)
  • 事業承継税制の特例(下記関連記事参照)
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国際観光旅客税の創設

平成31年1月7日(月)以後の出国1回につき、1,000円の税金が課されることになります。

これを財源に、観光施策を実行するとのことです。

森林環境税の創設

2024年度から個人住民税と併せて1000円の森林環境税が徴収されることになります。

この増税は、2023年度までで終了する東日本大震災関連で1000円増額となった住民税均等割に代わって創設されるものです。

本来であれば2024年から1000円下がるはずだった住民税均等割が下がらずに継続するというふうにとらえるとよいでしょう。

一度増えた税金はなかなか減りません(>_<)

最後に

税理士試験は合格するのは難しいのですが、その後は特に資格の更新などはありません。

ですから、税理士資格をもっていても、毎年のように改正される税制にキャッチアップできるよう自ら率先して勉強しなくてはなりません。

多くの税理士が常に毎年変わる税制にキャッチアップすべく勉強しているとは思いますが、税理士業界全体の品質維持のためには研修義務化というのも必要なのでしょう。

ただ、認定研修の増加や書籍を読むことによる研修など、研修内容や申請方法を柔軟化して、認定を受けやすい制度にしてもらえるとありがたいです。

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【編集後記】

平日毎日更新と掲げている当ブログですが、業務量の増加に伴い昨日更新できず…。

これで平日更新できなかったのが今年3日目。

仕事の効率化促進や業務量のコントロールにもっと努めないと駄目ですね…。

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------※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。---------

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