税理士試験を早期に合格したい。でも、少し時間がかかったとしても諦めない


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資格の学校でのパンフレットをみると、税理士試験は、2年で合格できるのではないか?と錯覚しそうになります。では、実際に受けてみるとどうかというと、2年で合格できる方は本当に稀です。私の場合、合格まで8回受験しました。2001年に受験を始めて、最終合格は2008年です。長丁場でした。

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税理士試験を早期に合格するためには

税理士試験を早期に合格する方法。それは、早期に合格した方が語るのが一番ですが、早期に合格できなかった立場から、何がダメだったのかという観点で、早期合格の方法を考えてみました。

税理士試験に対する覚悟

早期に合格しているなと感じたのは、会社を辞めて税理士試験に専念した方です。退路を断って、税理士試験にかけているだけあって、試験に対する覚悟が違うな、と感じました。

社会人になりながらも受験できるというのが科目合格性の税理士試験の売りみたいなところがありますが、働きながらの受験というのは「仕事が忙しいから」というのを勉強できない理由の言い訳にしがちです。そして、給与をもらっていて、食べていけているという環境も税理士試験へのモチベーションを下げてしまいます。

不満はあるけど、食べていけるだけの給料をもらっているし、税理士試験に合格しなくても、独立しないのだったら特に大きな支障はないな、という気持ちになったら、合格はどんどん遠のいてしまうでしょう。

ストレスを抱えない

ストレスを抱えると、勉強に集中できません。パワハラ上司がいるなどの職場環境が悪かったり、仕事のノルマがきつかったり、プライベートが上手くいかなかったりすると、勉強に集中できません。

中にはそういった逆境に強い方もいますが、それは少数派です。ストレスを抱えると仕事の効率を下げ、仕事も上手くいかず、勉強時間も確保できないし、勉強にも集中できなくなります。

社会人になってからの最初の4年間は、ストレスを非常に感じていた時期でした。仕事も満足いく成果を残すことができませんでしたし、税理士試験も4年間で1科目しか合格できませんでした。良き先輩、良き同僚に恵まれた環境ではあったのですが、私はそこでの問題やストレスに対処するだけのものを持ち合わせていませんでした。

そして、転職後すぐに官報合格を果たしました。環境を変えることで、私は前に進むことができました。

周囲の環境

人は良くも悪くも周りの環境に影響を受けてしまいます。税理士試験を受験しているけど合格できない人が多いという環境と、周りがどんどん官報合格している環境とでは、当然、後者のほうが合格はしやすいものです。

試験に合格できない方が多い環境だと、試験に合格すると「あいつはちゃんと仕事していないから合格するんだ」といわれてしまうこともあります。足の引っ張り合いをしているような環境にいるのなら、やはりそれは環境を変えるべきなのでしょう。

理論は全部覚える

私は理論を暗記するのが好きではありませんでした。ですから、勉強が甘かった年は講師の理論予想を当てにしてしまって、A~Cランク(出題頻度が高いのがA、低いのがC)と振り分けたうちのAランクとBランクをしっかり覚えてもCランクは覚えていないということがよくありました。

そして、そういうときに限って、Cランクと予想された理論が出題され、手も足も出ずに不合格になってしまいました。

こういうので予想が外れたからといって資格の学校や講師を責める方がいますが、資格の学校や講師だからといってどのような問題が試験に出るかなんてわかりません。競馬新聞の記者の競馬の予想と同じです。受講生の方よりは予想は当たるのでしょうが、山勘の域をでません。ですから、講師がいくら出る確率が低いといったからって、覚えないというのはダメなんです。

出ないと予想されていた理論でも、合格者はちゃんと覚えて試験に臨んでいます。短期合格を目指すなら、隙のない勉強をしないといけません。予想には頼らず、学習範囲の理論はすべて覚えましょう。

合格に時間がかかってよかったこと

合格に時間がかかるっていいことないじゃん、といわれそうですが、そうとも限りません。たまには、いいこともあります。

試験で頻出、でも実務ではめったに出ない論点に出くわしたとき

税理士試験では、実務ではめったに出くわさない論点が頻出だったりもします。

たとえば、法人税の圧縮記帳。毎年のように税理士試験に出題されますが、実務ではめったにお目に係る機会はありません。たとえ圧縮記帳の機会があっても簿価を直接減額すれば楽チンなのですが、私が勤めていた税理士法人では上場企業がお客様だったりもしましたので、会計上、圧縮積立金を積んでいていました。当然、上場企業ですから、圧縮積立金とともに、繰延税金負債が計上されます。

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そんなとき、法人税を3回受験したという経験から、圧縮記帳にもビビることなく、処理することができます。いや、実際には多少はビビって、時間かけて慎重にはやりました。。

プライベートが充実する(特に、8月~12月)

試験への取り組みが甘かったこともあり、プライベートはそれなりに充実していたのではないかな、と思います。2004年に結婚し、2006年には長女が誕生しました。

税理士受験生だからといって、それほど遊びに制限することなく、過ごしていた気がします。特に、8月~12月は試験が終わってから合格発表までの期間だったので、あまり勉強していませんでした。

ただ、1月から8月本試験までは家にいても勉強をしていたので、妻には苦労をかけたと思います。

まとめ

私は時間がかかってしまいましたが、税理士試験は早く終わらせるのがベストです。ただ、時間がかかってしまったからといって合格後に不利益は特にありません。強いていえば、年下の上司の下で働くことになるとか、短期合格者という自慢ができないといったくらいかと思います。もちろん、寿命はある程度決まっていますから、税理士としていられる期間の人生に占める割合が下がってしまうというのもあるでしょう。

いずれにしろ、大事なのは合格してからです。合格してどのような税理士になるのかが大事なのです。

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【編集後記】

昨日、今日と税理士試験の記事を書いたので、自分が受けた税理士試験の問題を少し見てみました。法人税の理論問題をちらっと見たのですが、適格合併のときの繰越欠損金の引継ぎ制限、自己株式の取得時、売却時、焼却時の課税関係、圧縮記帳といった問題が出題されていました。どれも、実務で出くわしたときにはそれなりに時間かけて解決する論点だなぁと思いました。これを短時間で解くのだから、やっぱり税理士試験は大変だったし、もう二度と受けたくないですね。

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※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。

また、ブログの内容等に関する質問は、受け付けておりませんのでご了承ください。

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