青色申告の特典、純損失の繰越し~個人事業を始めたら、すぐに青色申告を~


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脱サラをして事業を始めるときやフリーランスになるとき、青色申告を出していない、個人事業の開業届出書を提出していないという方が少なくありません。どうせ最初は赤字だから、払う税金はないし、確定申告はしなくていいでしょ、と軽く考えてしまいがちのようです。確かに、当初は所得税は発生しませんが、実は後々の所得税が大きくなってしまう可能性があります。

事業所得が赤字だった時の確定申告

白色申告の場合

事業所得しかない場合

その年の所得が事業所得しかない場合、その事業所得が赤字であれば確定申告は必要ありません。

開業1年目で、事業をはじめる前に給与所得がある場合

この場合、確定申告の義務はありません。ただし、確定申告をすることができます。

確定申告をすることにより、事業所得の赤字を給与所得と損益通算し、給与から源泉されていた所得税の還付を受けることが可能になります。

つまり、事業が赤字だったとしても、きちんと確定申告をすることで、払いすぎた税金を取り戻すことが出来ます

青色申告の場合

青色申告の場合、確定申告をすることによって、事業所得の赤字分を翌年以後3年間の経費とすることが可能になります。

これを純損失の繰越し控除といいます。

純損失の繰越控除

白色申告の場合

白色申告の場合、純損失の繰越控除という制度はありません。

例えば、開業初年度に1,000の赤字、2年目、3年目に300の黒字、4年目に400の黒字だった場合、所得税・住民税の負担は次の表の通りとなります。

なお、計算を簡便にするため、税率は20%とします。

 利益(損失)税金
開業初年度△1,0000
開業2年目30060
開業3年目30060
開業4年目500100
合計100220

単年度ごとに利益が出れば課税されますので、4年間トータルの利益が100にもかかわらず、税金は4年間で200発生してしまいます。

青色申告の場合

青色申告の場合、赤字の年に確定申告をすることによって、その後3年間、その赤字を経費にすることができます。

上記の設例を基に、所得税・住民税の負担を計算すると、下表のとおりとなります。

 利益
(損失)
純損失の
繰越控除
繰越控除後の所得税金
開業初年度△1,00000
開業2年目30030000
開業3年目30030000
開業4年目50040010020
合計10020

開業初年度の赤字1,000について、確定申告をすることによって、解消2年目から4年目までの3年間において、その赤字を経費とすることが出来ます。

開業2年目の場合、利益300に対して、開業初年度の赤字のうち300を経費にしますので、利益はゼロとなり、税金は発生しません。

開業3年目も同様です。なお、開業初年度の赤字1,000のうち、2年目、3年目で経費とした金額が合計600となりますので、残り400を開業4年目の経費にすることが出来ます。

開業4年目は利益が400ですので、開業初年度の残りの赤字400を全額経費にすることが出来ます。

この場合、4年間の利益が100であるのに対し、税金が20となります。純損失の繰越控除を適用することにより、4年間の利益100の20%相当の20が税金となるように、釣り合いがとれるようになります。

青色申告をしよう

青色申告の特典

青色申告の特典は、色々とあるのですが、主なものは下記リンクの通りです。

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【個人事業主、フリーランス向け】白色申告にメリットなし!青色申告をはじめよう!

青色申告をはじめるには

青色申告をはじめるには、「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

提出期限は、下記の通りです(相続の場合は別途提出期限あり)。

  • その年の3月15日まで(原則)
  • 1月16日以降の新規開業の場合、開業日から2月以内

新規開業の場合

個人事業主が事業所得、不動産所得又は山林所得が発生する業務を始める場合、開業日から1月以内に「個人事業の開業届出書」を提出する必要があります。

「青色申告承認申請書」は開業日から2月以内の提出で構わないのですが、うっかり提出漏れを防ぐためにも「個人事業の開業届出書」と一緒に提出してしまいましょう。

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【編集後記】

この週末も仕事をしてしまいました。次の週末こそ、完全オフを目指します。

【週末の一日一新】

家族で千房のお好み焼き

子どもたちにとって初めての皇居

北車庫にて子供の落とし物を受け取る

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※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。

また、ブログの内容等に関する質問は、受け付けておりませんのでご了承ください。

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