従業員10人未満の小さな会社を作る時の税務上の手続き

2016年10月9日

——※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。———

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会社を設立した時には、税務署や地方自治体に税務に関する届出書を提出する必要があります。従業員10人未満の小さな会社を金銭出資で設立した時の税務上の手続きをまとめてみました。

会社設立時に税務署・地方自治体に提出する届出書

税務署に提出する届出書・申請書とその提出期限

税務署に提出する届出書とその提出期限は、下表のとおりです。

届出書・申請書の名称

提出期限

法人設立届出書 法人設立の日(設立登記の日)以後2月以内
青色申告の承認申請書 設立の日以後3月以内※1
給与支払事務所等の開設届出書 給与支払事務所開設の日から1か月以内
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 なし※2

※1 設立の日以後3月以内に設立事業年度終了の日が到来する場合には、設立事業年度終了の日
※2 原則として、提出した日の翌月に支払う給与等から適用

「法人設立届出書」には、次の添付書類が必要です。

  • 定款
  • 設立の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 株主又は合名会社、合資会社若しくは合同会社の社員、その他法人の出資者の名簿
  • 設立趣意書(作成している場合)
  • 設立時における貸借対照表

「青色申告の承認申請書」は、提出が義務付けられている届出書ではありませんが、後述する青色申告の特典があるため、必ず出しておきたい申請書です。

この申請書を提出した場合、税務署長はその申請に対して承認又は却下の通知をすることになっています。ただし、その承認を受けようとする事業年度終了の日までにその通知がない場合には、承認があったものとみなされます。

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」も、同様に、提出義務はないものの必ず提出したい申請書です。通常、給与などから源泉徴収した所得税は、翌月10日までに国に納付しなければなりませんが、従業員数が常時10人未満である事業所については、下記の通りの納期とすることが出来ます。

  • 1~6月までの源泉所得税:7月10日
  • 7~12月までの源泉所得税:翌年1月20日

この申請書についても、税務署長は承認又は却下の通知をすることとなっていますが、その通知がない場合には翌月末日に承認があったものとみなされます。

上記の4つの届出書・申請書については、会社設立Freeeを利用して会社を設立した場合、自動で作成されます。

会社設立Freeeで合同会社を設立する方法

青色申告の特典

青色申告をした場合、帳簿書類の備え付け、取引の記録、保存が義務付けられる代わりに、下記の特典があります。

  • 青色欠損金の繰越控除
  • 30万円未満の少額減価償却資産の損金算入
  • 特別償却・特別控除
  • 準備金の積み立て

特に小さな会社を設立した時に関連しそうな項目は、「青色欠損金の繰越控除」と「30万円未満の少額減価償却資産の損金算入」です。

「青色欠損金の繰越控除」とは、その事業年度に赤字となったとき、その赤字を翌事業年度以降の利益と相殺することができます。その赤字は発生してから9年間(2018年4月1日以後開始事業年度に発生した赤字は10年間)繰り越すことが出来ます。以下に簡単な例を記載します。

【例】設立初年度:100万円の赤字、設立2年目以降は40万円の黒字、税率は単純化のため15%と仮定

設立初年度:赤字なので法人税なし、繰越欠損金100万円発生

設立2年目:40万円の黒字に繰越欠損金40万円を使用して課税所得はゼロ、繰越欠損金残高は60万円

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設立3年目:40万円の黒字に繰越欠損金40万円を使用して課税所得はゼロ、繰越欠損金残高は20万円

設立4年目:40万円の黒字に繰越欠損金20万円を使用して課税所得20万円、法人税は20万円×15%=3万円

「30万円未満の少額減価償却資産の損金算入」とは、30万円未満の固定資産(ソフトウェアを含む)を購入した場合、1年につき300万円を限度として、その購入金額をその事業年度の経費に出来る制度です。

10万円未満の固定資産を購入した場合、原則として、その固定資産の耐用年数にわたって減価償却費として会社の経費とします。例えば、20万円のパソコンを購入した場合、原則、そのパソコンは耐用年数の4年に分けて会社の経費にすることになります。しかし、青色申告をする中小企業者の場合、その20万円のパソコンを購入した年度に経費にすることができるのです。

地方自治体に提出する届出書

税務署のほか、地方自治体にも「法人設立届出書」を提出する必要があります。提出期限は、設置から15日以内です。なお、会社設立Freeeでは、こちらは自動では作成されません。

提出先は、東京23区の場合は都税事務所のみでOKですが、それ以外の場合は道府県税事務所と市町村役所に提出することになります。

届出書・申請書の提出方法とその留意点

税務署、地方自治体へ提出する届出書・申請書の提出方法は、(1)持参する、(2)郵送する、(3)電子申告をするの3パターンが考えられます。

税務署・地方自治体に持参して提出

税務署・地方自治体へ持参して提出する方法です。提出したことの証として、届出書・申請書の控えを必ず持参し、控えに受領印をもらって持ち帰りましょう。

この提出方法のデメリットは、わざわざ出向くことの時間のロスです。

郵送して提出

税務署・地方自治体への届出書・申請書の提出は、郵送で行うことも可能です。この時の注意点は、以下の通りです。

  • 控えと切手を貼った返信用封筒も併せて封入し、控えを受領できるようにする
  • 普通郵便ではなく、簡易書留や配達記録郵便で送る

郵送することにより、持参する時間のロスを防ぐことが出来ます。後述しますが、税理士を利用しない場合には、電子申告を開始する手続きにも時間がかかりますので、この方法が一番手間がかからないでしょう。

電子申告で提出

電子申告を行うためには、電子証明書の取得と国税、地方税のそれぞれの電子申告開始の手続きが必要になります。

  • 電子証明書を取得
  • 国税の電子申告の開始届出書の提出
  • 国税の電子申告のためe-Taxソフトをインストール
  • e-Taxソフトにて税務署に提出する届出書・申請書を作成して電子申告
  • 地方税の電子申告の開始届出書の提出
  • eLTAXにて地方税の法人設立届出書を作成して電子申告

はっきり言って、この設立の届出書・申請書だけをやるのであれば、紙で作成して郵送のほうが楽ですし、時間もかかりません。

しかし、税理士であればすでに電子証明書、電子申告のためのソフトをもっています。ですので、顧問税理士に依頼した場合には、電子申告で提出することもあるでしょう。私であれば、電子申告で提出します。

電子申告するにはコストがかかる。それでも電子申告にこだわる理由

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【編集後記】

サッカー日本代表、イラクにアディショナルタイムでようやく勝ち越し点を取って勝利しましたね!

【一日一新】

六本木一丁目のアークヒルズ六本木でランチタイムにパスタ

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