新型コロナウィルス感染拡大防止のため確定申告期限延長と税理士への影響

2021年3月17日


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geralt / Pixabay

昨日(2020年2月27日)、国税庁は新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、個人の申告所得税、個人事業主の消費税、贈与税の確定申告期限を4月16日まで延長することを発表しました。

私のように税理士と職業としているものにとっては、大きな影響のある出来事です。この事態の現状と今後どのようにすべきか考えてみました。

新型コロナウィルス感染拡大防止のための確定申告期限の延長と税理士業務への影響

個人の申告所得税、個人事業主の消費税、贈与税の確定申告期限の4月16日までの延長

国税庁は、下記の税目について、確定申告期限を4月16日まで延長することを発表しました。

  • 申告所得税
  • 個人事業主の消費税
  • 贈与税

対象となるのはこの3つの税目のみです。法人税や法人の消費税については確定申告期限の延長はないようですのでご注意ください。ただ、今後、法人についても確定申告期限の延長が認められる可能性はないとは言えませんので、国税庁の動向には引き続き注意を払っておくとよいでしょう。

確定申告無料相談会はどうなる?

ちなみに、税務署の委託を受けて税理士会が行っている確定申告無料相談会は中止とはならず、実施の見込みのようです。

確定申告無料相談会は例年多くの納税者の方が来訪し、1時間待ち、2時間待ちは当たり前の混雑をする相談会のため、参加することはあまりお勧めできません。

以下のツイートのように、税理士本人だって新型コロナウイルスのリスクを抱えることになってしまうので乗り気に離れないのです。

税理士が課されている年間36時間の研修はどうなる?

税理士にはその品質保持のため、年間36時間の研修を受けることが義務付けられています。

非常事態ということもあり、税理士会では3月の会員研修会の中止が発表されました。そこで、研修義務は免除されたり、延期されたりするのか一瞬期待しましたが、その発表のメールの最後の一文が下記の通りとなっていました。

※年度末(令和元年度分の受講時間の締切)が近づいております。会場型研修の中止を
踏まえ、マルチメディア研修を視聴するなど、できるだけ早めに受講義務を達成してください。

おいおい・・・。この非常事態の時であっても、研修義務は免除されないのかとがっかりしました。

そもそも、品質の低い税理士がこの36時間の研修義務を満たしたからと言って品質が低いことには変わりないし、税理士として求められる一定水準の品質を維持している税理士はこの研修義務を満たさなくたって問題のないサービスを提供できていると思うのですが。

税理士は個人の確定申告にどう対応すべきか?

個人的には、この非常事態であっても、個人の確定申告については極力、当初の確定申告期限の3月16日(今年は3月15日が日曜日のため、3月16日が当初の確定申告期限でした)で終わらせるべきと考えています。

ここで申告期限が延長されたことに伴って業務を伸ばしてしまったら、その後の仕事に影響が出ることになるでしょう。

「これからの1~2週間が、急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」と言われていますが、この1か月、中国に忖度してなのか、中国からの入国を制限しなかったこと、ダイヤモンドプリンセス号でのまずい対応を十分にしてこなかったことがこのような事態をもたらしたと思えて仕方がありません。

電車通勤やバス通勤は控えたほうが望ましいので、在宅勤務やテレワークを活用するなどして、出来得る限り、当初の申告期限通りに仕事を進めていくべきなのでしょう。

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ちなみに私の場合、自転車で事務所まで通勤できますので、事務所で仕事をする予定です。

この際だから言いたい、新型コロナウイルスと学校の休校について

我が家では中学生、小学生、幼稚園児の3人の子どもがおり、3月2日からの学校の休校の影響を受けることとなりました。

学校については休校ということでどうしようもありません。幼稚園については、各家庭の自主的な判断に任せるという連絡がありました。

我が家は自営業であり、妻にはその仕事の手伝いをしてもらっているという環境のため、学校の休校や幼稚園を休ませるということについても、私が一人で仕事を頑張り切れば乗り切ることは可能です。

しかし、共働き世帯にであればこれままさに一大事です。

学校や幼稚園、保育園が休みになれば、子供の面倒を見るため、両親のどちらかが休みを取らなければなりません。ではその休みはどのような扱いになるかというと、安倍首相は予算委員会で下記の通りの答弁をしたとのことです。

経済界に有給休暇を取りやすいように対応をお願いする

う~ん…。休業補償ではなく、有給休暇ですか…。

大企業であれば体力があるので乗り切れると思いますが、中小零細企業にとってはこの間の経済活動の停滞は死活問題となりかねません。

それに対する対応策が全く発せられないまま、自主的な要請ばかりであり、平和ボケが続いてきた日本の危機管理能力の低さが露呈されたと感じています。

なぜ1月から問題視されていた新型コロナウイルスの問題に「要請」といった形でしか対応できないのでしょうか。

1月から今日までの間に「要請」ではなく、しっかりとした「立法措置」を検討し、法律でもって新型コロナウィルスへの対応をすることができなかったのでしょうか。

このような事態ですので、極力、自主的に防衛策を行っていきたいところです。

私個人としては、以下の対策をとる、または、とる予定です。

  • マスクをする(万が一、私が感染していた時に周りの方に迷惑をかけないため…と言いたいところですが花粉症の影響もあります)
  • 飲み会には参加しない(もしくは自宅でZoomなどのオンラインで)
  • お客様との打ち合わせについては、出来る限り、テレワークで実施
  • バスでの通勤はやめて自転車やランニングでの通勤をする
  • 満員電車に乗らない(できれば電車に乗りたくないので、いつも電車で向かうところについて自家用車での移動を検討)
  • 適度な運動がよいらしいので最近さぼり気味だったランニングを再開する
  • 十分な睡眠が大切のようなので、早起きしたいという個人的な目標は置いておいて、ゆっくり寝る
  • 休日はため込んでいた大河ドラマを見て過ごす

【編集後記】

新型コロナウィルスという非常事態で不要・不急の物事は控えようという風潮になっています。これまで放置されてきた無駄な会議、満員電車での通勤や通学の社会問題が解消され、在宅勤務やテレワークなどの効率的な働き方が促進されて社会がより良くなるチャンスでもあるのではと考えています。

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※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。

また、ブログの内容等に関する質問は、受け付けておりませんのでご了承ください。

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