2017年度税制改正で配偶者控除見直し検討~働き方改革~

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自民党の宮沢洋一税調会長は、日経新聞のインタビューで、2017年度税制改正で配偶者控除の見直しを検討すると表明したとのことです。配偶者控除が女性の社会進出を阻む壁となっており、働きの有無に関わらず控除が受けられる制度を創設して女性の就労を促進するとのことです。

Merio / Pixabay

配偶者控除とは?

妻または夫の給与収入が年間103万円以下である場合、その夫または妻は配偶者控除を受けることにより、所得税を軽減することができます。

給与収入が600万円、社会保険料85万円の場合、配偶者控除の適用を受けることにより所得税で38,800円(計算については下図参照)、住民税で33,000円(控除額33万円の10%)、合計で約7万円の負担軽減となります。

下図の配偶者控除有りの場合の所得税の計算式は下記の通りになります。

給与収入600万円-給与所得控除174万円=給与所得426万円

給与所得426万円-所得控除額(社会保険料85万円+配偶者控除38万円+基礎控除38万円)=差引課税給与所得265万円

差引課税所得給与所得265万円×10%-97,500円=所得税額167,500円(下記国税庁HP参照)

167,500円×102.1%=年調年税額171,000円(所得税額の2.1%の復興所得税との合計額)

2016-08-31 (1)

2016-08-31

配偶者の給与収入が103万円を少しだけ超えてしまった場合、配偶者特別控除の適用が可能

扶養としていた妻や夫の給与収入が103万円を超えてしまったときですが、税負担が7万円増えてしまうのかというと、そうではありません。合計所得金額(給与収入のみの方は給与所得の金額と考えてよいでしょう。)が1千万円以下の場合、妻や夫の給与収入に応じて配偶者特別控除の適用を受けることができます。

配偶者特別控除の控除額は、配偶者の所得金額(給与収入のみの方は給与収入から65万円を差し引いた金額)に応じて以下の通りになります。

<所得税>
・38万円~40万円未満:38万円
・40万円~45万円未満:36万円
・45万円以上50万円未満:31万円
・50万円以上55万円未満 26万円
・55万円以上60万円未満 21万円
・60万円以上65万円未満 16万円
・65万円以上70万円未満 11万円
・70万円以上75万円未満 6万円
・75万円以上76万円未満 3万円
・76万円以上 0円
<住民税>
・38万円を超え45万円未満 33万円
・45万円以上50万円未満 31万円
・50万円以上55万円未満 26万円
・55万円以上60万円未満 21万円
・60万円以上65万円未満 16万円
・65万円以上70万円未満 11万円
・70万円以上75万円未満 6万円
・75万円以上76万円未満 3万円
・76万円以上 0円

例えば、扶養としている配偶者が125万円の給与収入がある場合、給与所得は60万円ですので、所得控除額は所得税、住民税ともに16万円となります。上記の年収600万円の場合の例に当てはめると、配偶者特別控除の適用を受けることによる税金の軽減額は約3万円となり、配偶者控除と比較して約4万円の負担増となります。さらに、配偶者自身にも所得税・住民税の合計で約4万4千円の課税が生じます。給与収入が103万円だった場合と比べると給与収入が22万円増えるのに対し、課税額が約8万8千円増えることになります。

夫婦控除は所得控除?それとも税額控除?

日経新聞の記事によると、配偶者控除の廃止とともに導入が検討されている夫婦控除は、夫婦であれば片働き世帯も共働き世帯も同一の控除を受けるものとなるようです(ただし、所得制限が付されるようです)。控除制度が所得控除になるか、税額控除になるかについては検討中とのことです。

所得控除と税額控除の違いは、以下の表のとおりです。

  税金の軽減額 特徴
所得控除 控除額×税率 税負担の大きい個人ほど軽減効果が大きいため、金持ち優遇と批判されることも。
税額控除 一定額 一定額のため公平だが、控除額以下の低所得層は十分な控除が受けられないというデメリットあり。

税額控除のデメリットを補うものとして、給付付き税額控除(税額控除しきれない金額を給付するという方法)が考えられますが、事務負担の大きさや制度の悪用等の可能性があり、政府としては導入に慎重になっている面があるようです。

配偶者控除が女性の社会進出を阻害しているのか?

103万円の壁を越えてしまっても、配偶者特別控除という制度があるため、税負担が激増するわけではありません。
税金を払いたくないという心理的な側面はあるかと思いますが。

負担の激増という観点からすると、社会保険の扶養から外れてしまうという130万円の壁のほうが影響は大きいといえるでしょう。

ただ、子育て世代の私からすると、そういった負担面のことよりも、待機児童問題や保育施設に安心して子供を預けられる環境の整備が女性の社会進出に必要であると思います。

「配偶者控除が女性進出を阻害している」という名目で、単純に税負担を大きくしたいだけのような気がしてならないのは、私だけでしょうか。

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【編集後記】

本日で子供の夏休みも終わり、明日から学校です。子供たちは先週中には宿題を終わらせたはずだったのですが、真ん中の子がひとつ宿題を忘れていたことが判明。昨日、今日の二日間、家ではピアニカの課題曲「かえるのうた」が鳴り響いていました。

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------※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。---------

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