間接部門はいらない⁉効率化は必要だけど、大事な役割も担っている

Pocket

■スポンサードリンク

geralt / Pixabay

最近、間接部門を叩く記事や書籍が目につきます。今日の日本経済新聞電子版に下記のタイトルの記事が掲載されていました。

過労死の原因に間接部門? 「仕事に集中させて」

この記事は、直接部門側だけの言い分を書いた偏った意見を書いた記事だな、と感じました。直接部門と間接部門の両方の経験を持つ私からすれば、お客様相手の仕事が忙しい時に間接部門の要求にイラっとする気持ちも分かりますが、間接部門が行っている仕事の価値も理解できます。一方的に間接部門を叩くのではなく、その役割を理解することも必要なのではないでしょうか。

嫌われる間接部門

dsc_0763-1

間接部門が嫌われる理由

私は簿記の講師、税理士法人の税務スタッフ、証券会社のM&Aアドバイザリーとお客様へサービスを提供する側の仕事をしてきました。そうすると、やはり自分の仕事の中で圧倒的に優先順位が高いのは、いかにお客様が満足できるサービスを提供するかです。そんな中、間接部門から要求される義務付けられた研修や社内手続きなどは、後回しにしたい面倒くさいものに感じられました。そして、間接部門の対応に下記のような嫌な思いをすることもたびたびありました。

  • 経費精算書に添付する領収書の裏面全面に糊付けをするようにと経理から苦情がきた
  • 家の目の前のバス停からバスで駅まで行く通勤ルート(最短時間で会社に着くルート)を申請したら却下され、徒歩15分かかる地下鉄の駅まで歩く遠回りのルートを指定された(最安値ではなく最短時間で通勤させてくれ!と腹が立った)
  • 通勤手当が毎月1か月分の定期代の支給から、6月ごとに6か月定期分の定期代の支給に変更となり、通勤手当の年間支給額が減った
  • 20時以降に冷暖房を使うときには別途申請が必要になった

人によっては、下記のような文句もあるようです。

  • 売上をとってきているのは直接部門なのに、社員旅行、運動会、その他各種イベントを企画している人たちと給料に大差がないのは納得いかない
  • 定時過ぎると会社にいても切手を渡してくれない(そして、PCでソリティアをやっていたようです)

正直、余計なことやってるなぁ、ということもあるわけです。特に、大企業になればなるほど、そういった傾向があるように感じます。

それでも過労死の原因に間接部門は言い過ぎ!

それでも、過労死の原因が間接部門というのは、言い過ぎな感があります(個別事例は別として、一般的に)。「過労死の原因に間接部門?」の記事では、こんなことが書いてありました(かっこ書きは私の個人的な感想)

  • 強制参加の運動会のために3か月の練習が必要(強制参加の運動会は勘弁してほしいものです。でも、嫌なら練習なんかしないでぶっつけ本番で適当にやればいいのに…)
  • Eラーニングは本業を済ませた後、残業して取り組まざるを得ない(コンプライアンス違反が明るみに出た時の会社のダメージを考えたら、ちゃんと学ぶべきことです。座学研修よりも楽でいいと思うのですが。Eラーニングを再生させつつ、別の仕事をすることも可能だし
  • 昼休みに白昼堂々の消灯(これ、東日本大震災のときにありました!個人的には、いくら仕事が忙しい時でも弁当を食べながら仕事をするというのは好きではありません。休憩時間は仕事から離れてリフレッシュすることで、休憩時間後の業務時間の集中力を高めたほうがいいと考えています。)
  • 交通費精算システムで最安値のルートでの経費精算となってしまう(スイカやパスモのデータを読み取るシステムを導入すればよかったですね。その会社のシステム部の選択ミスです。私にご相談いただければ、いいシステムを紹介できるのですが。
  • 税務調査を機に会議をしたときには社内会議並みの議事録を提出(税務調査の時に会議費で不正が見つかったからなのでしょう。やりすぎな感はしますが、不正をする人がいるからこそルールが厳しくなってしまうのです)

そして、間接部門がモンスター化したのは、「成果主義」が原因とのことです。確かに、間接部門は業績目標を設定するといっても、具体的な数字での目標を設定できず、かなり苦労します。その影響で、存在意義をアピールするためにモンスター化するとのことです。

存在意義をアピール…、それで私は

  • 通勤ルートが最安値で、遠回りになる
  • 通勤手当の支給が減る(→非課税の通勤手当を姑息に減らすのではなく、同水準の給与を減らしたほうが手取りはプラスなのに)

といった被害を受けてきました。

ただ、この記事、大事なことを忘れていませんか。それを承認したのは経営者ですし、そのような案を間接部門が出すのも経営者が経費削減を望んでいるからではないでしょうか。

不人気な「間接部門」や「成果主義」を叩いて、共感を得ようとしている感があり、好きになれない記事でした。

間接部門の大事な役割

間接部門はDF!しっかりと守りを固めてる

正直、困った間接部門の仕事もありますが、ただ、間接部門が会社を守る大事な役割を担っているということも理解してもらいたいものです。

財務部は、会社に必要な資金調達をしたり、資金繰りに問題が生じていないかどうか、お金の面で会社を守っています。

経理部は、会社の経営成績や財政状態を把握するために会計処理を行い、会計の面から経営者に有益なアドバイスを送ることが出来ます。

法務部は、会社にとって不利な契約を結ばないよう契約書をチェックしてくれます。

人事部は、将来の会社を支えてくれる新戦力の採用や、社員の適正配置などで貢献してます。

総務部は、その他いろいろ雑多なことをこなしてくれます(雑ですみません、会社によって大きく役割が違うので一言では言いづらいです)。

研修なんてうざいよ、と言われても、やらないわけにはいきません。

個人情報や機密情報の漏洩、インサイダー取引、クーリングオフ制度など防がなければいけませんし、投資の勧誘の時に「絶対もうかりますよ!」と言って勧誘してはいけません。ルールを守って営業活動をしなければならない以上、学ぶべきことはちゃんと学ばないとトラブルは起きるのです。

新入社員が間接部門の雑務に追われて過剰な残業の原因になっていると一方的な捉え方は違うのではないでしょうか。新入社員には、まずはしっかりとルールを学んでもらわなければなりません。ルールをしっかり分かった上で、戦力として扱うべきですので、そのルールを学ぶ研修の時間を作ってあげられない部署にも問題があるはずです。

税務調査では、経理部が把握できていなかった現場での不正が調査官に発見されるということがよくあります。

  • 社外飲食費と申請していて、実は社内での飲み会に使われていた
  • 親族が経営している会社に架空の外注費を支払っていた
  • 現金売上を社員が横領していた

こういうことが起きないように、間接部門が目を光らせ、会社を守ることが必要なのです。

でも生産性向上のため効率化は必要

ただ、やっぱり間接部門は、売上に直接的に貢献するものではありませんので、効率化は必要です。

■スポンサードリンク

請求書を発行したら、会計帳簿で売上に計上されるとか、経費申請はスマホで楽にできるとか、なるべく単純作業を減らして効率化を進めるべきでしょう。

FreeeやMISOCAで請求書を発行して自動で経理
FreeeやMISOCAで請求書を発行して自動で経理
freeeやMISOCAを使って請求書を発行すると、自動で会計システムに売上が計上されます。 会計Freeeで請求書を発行して自動で経理 「取引」→「請求書」を開きます。 下記の画面の必要項目を入力します。「取引の...

まとめ

直接部門と間接部門の対立を煽るような記事に今日はイラっときました。確かに、日頃、間接部門に不満を抱いている方を満足させるという意味で、売れる記事になるのでしょう。

ただ、間接部門とはいえ、大切な役割をもっているわけですから、一方的に叩くのではなく、その役割を理解してもらいたいものです。

私は直接部門と間接部門の両方に所属していましたから、どちらの言い分も理解できます。直接部門だけでイケイケドンドンというのは、危ない橋をどんどん渡ってしまいますから、間接部門というブレーキ役が必要な時が必ず来ます。

相互理解を深め、直接部門と間接部門が調和して会社を運営していってもらいたいものです。

||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

【編集後記】

最近、新聞記事のネタが続いてしまっています。今日は新聞記事以外で書く予定だったのが、あまりの一方的な「間接部門」の批判記事に反論したくなってしまいました。少しは間接部門の言い分もわかってくれよと。

ただ、非効率だったり、実情と合わない間接部門の仕事で直接部門に不満があるというのも理解できます。だからこそ、「経理の効率化」をテーマに掲げて仕事をしています。

■セミナー告知
開催リクエスト受付中!
詳細は下記リンクをご参照ください。

【昨日の一日一新】

税理士会神田支部の実務研修会に初参加(同じく平日毎日ブログを更新している税理士の谷口孔陛さんの「はじめての話す仕事 クラウド会計でできることとその影響について」を生で聞きました!)

Pocket

------※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。---------

■ スポンサードリンク




スポンサーリンク

シェアする

フォローする

スポンサーリンク