赤字申告法人の1割超が実は黒字法人~税務調査は来る~

2017年2月21日


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昨日(2017年2月19日)の日本経済新聞の記事によると、税務当局が実地調査をした赤字申告法人3万3千件のうち1割強の約4,000社が実は黒字だったとのことです。調査した3万3千社のうち申告に誤りがあったのは約2万4千件であり、そのうち8,000社で不正が見つかったとのことです。

税務調査は来る

税務調査はうちには関係ない、そう思っている方が意外と多いようです。しかし、税務調査はきます。今回のニュースで分かるように、赤字申告法人にもちゃんと税務調査は来るのです。

申告に誤りが見つかる確率は高い

調査した3万3千社のうち申告誤りが見つかったのが約2万4千件ですから、70%以上の確率で申告に誤りが見つかっています

不正が見つかる確率は高い

不正が見つかったのが約8千件ということですから、不正が見つかる確率は約25%です。た、高いですね…。4社に1社は不正をしているということなのです。

調査官は不正を探している

調査官の一番の目当ては不正を見つけること

税務調査の調査官にとっての一番の仕事は、不正を見つけることです。国家たるもの、税金で成り立っています。不正をして税金を納めていない方からちゃんと税金をとらないと不公平ですよね。真面目に納税している人がいるわけですから、ズルは許してはいけないのです。

不正は見つかる

税金はなるべく払いたくない、みんなそう思っています。そして、よく行われるのが、プライベートの支出を会社の経費にすること。調査官はそんな気持ちをちゃんとわかっていますし、そして、それが彼らの一番の使命ですから、当然のように不正は見つかってしまいます。

現金商売の飲食店が現金だからわからないと思って売上金を除外しても、それはばれてしまいます。そのお店の客単価、客数が分かれば売上の見積もりは可能です。その見積もった売上と帳簿上の売上がかい離していれば、売上を除外しているというのがわかってしまいます。

税務調査で負けないための税理士の選び方

税務調査の時の一番の味方は税理士

税務調査官は税金のプロです。その税金のプロと税金の素人である経営者が対峙する税務調査では、経営者は圧倒的に不利です。調査官の言いなりになってしまって、本来不正でないはずのものまで不正にされてしまう可能性すらあります。不正を見つけるのが調査官の仕事であり、それが評価につながるわけですから、なるべく不正を多く見つけたいというのが調査官の心情です。

税務調査があった時には、経営者だけで立ち会うことなく、必ず税理士に立ち会ってもらうようにしましょう。裁判でもそうですよね?相手が弁護士をつけてきたら、こっちも弁護士をつけて争わないと、相手のペースで裁判が進んでしまいます。

税務調査で役に立つ税理士と役に立たない税理士

税理士で税務調査に役に立たない税理士は、以下の通りです。

  • 税務の知識が不足している
  • 調査官の言いなりになってしまう
  • 調査官に対して敵対的な態度や高圧的な態度をとる

税理士とはいっても、残念ながら、知識が不足している方がいます。毎年の税制改正についていけてない方や税法を大して学ばずに税理士になった方、試験は合格したけどうまく使いこなせていない方というのが一定数います。税理士会でも、そういったことがないよう研修の義務化など対策をとっていますが、研修を受けるだけで身につくものではなく、なかなか対応が難しいのが現状ではないでしょうか。
納税者から見ても、税法の知識に難点があるかどうかは判断がつきにくいものです。税法に詳しくてもお客様は獲得できないので、売上を増やすには税法の勉強よりも営業戦略やマーケティング戦略の方に目が行ってしまうとい税理士側の事情もあります。

2つ目の調査官の言いなりになってしまうというのは、納税者の味方とは言えない対応でしょう。調査官はお客様のビジネスを理解せずに主張していることもありますし、そもそも少しでも不正を多く見つけたいと考えているのですから、出来得る限り納税者の味方となって主張すべきことは主張するというのが税理士としてのあるべき姿です。

3つ目の調査官に対して「敵対的な態度や高圧的な態度をとる」というのは、最悪です。調査官も人間です。不快な対応をされたら、こじれないはずの税務調査がこじれてしまうということが起きてしまいます。人と人との交渉事なのですから、きちんとしたマナーをもって調査官と接することが大切です。税務署のOBで元部下の調査官に高圧的な態度をとるという方がいらっしゃるようですが、そういった方に調査を任せてはいけません。嫌いな上司に対しては、隙あらば一泡吹かせてやろうと思うものです。

税務調査で役にたつ税理士

私が懇意にしている国税OBの税理士の方は、経験豊富で60歳代後半にも関わらず常に勉強を続けており、知識も豊富です。部下からも慕われており、また、尊敬もされている方です。そういった方ですので、税務調査では強力な納税者の味方となります。

ただ、そういった方の顧問先は有名企業になりますので、なかなか中小企業の顧問を行ってもらうのは難しいですし、また、強力な経理部をもつ大企業とは違い、日々の経理から見てもらえる小回りの利く税理士が必要になります。

そこで、選びたいのは次のような税理士です。

  • 経費にできないものをしっかりと教えてくれる
  • 細かいところまで行き届いた処理をしている
  • ビジネスを理解しようと努める

プライベートな支出を快く経費としてくれる、なんていう税理士は気を付けましょう。いざ税務調査で指摘されても、そのときに特に味方になってくれるわけではありませんし、責任も取りません。

細かいところまで行き届いた処理をしていると、「何もそこまで細かくやらなくても…。もうちょっと適当で良いんじゃない?」と思われがちです。しかし、細かいところまで行き届いた処理をすることで、調査官にも「真面目にしっかりやっている会社」という印象を持ってもらえますので、税務調査で痛くもない腹を探られるといった被害を防ぐことができます。

ビジネスの理解という点ですが、これは意外と難しいものです。多種多様のビジネスがあり、その商慣習はその業界では当たり前でも、他の業界では非常識といったこともあるでしょう。税理士は税金のプロではあっても、その業界の知識はと言えば、お客様に到底かないません。それを自覚して、お客様のビジネスをしっかり学ぼうという姿勢が税理士には大事になります。

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【編集後記】

金曜日は長女の11歳、土曜日は長男の1歳の誕生日でした。金曜日は焼肉、土曜日は評判のケーキ屋、日曜日は実家の両親を呼んで誕生日パーティーをしました。

そんな中、合間を縫って12月決算の確定申告やら何やらと、仕事に追われた週末でもありました。

【週末の一日一新】

長男にとって初めての焼き肉屋

長男に一升瓶

ホッピング

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※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。

また、ブログの内容等に関する質問は、受け付けておりませんのでご了承ください。

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