赤字の会社は税理士に顧問料を払う価値があるのか?

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geralt / Pixabay

会社が赤字の時は、発生する税金は住民税の均等割だけです。このような場合、税額は分かっているし、赤字経営で顧問料を払う余裕がないし、そのような状況で顧問料払ってもどうせ税理士は大してやることないから税理士が丸儲けするだけ、と考えてしまう経営者の方がいらっしゃいます。会社が赤字の時、税理士に顧問料を払う価値はあるのでしょうか。

赤字の要因別:税理士が出来ること

役員報酬や親族への給与が高い

最終利益は赤字だけど、役員報酬や親族への給与を差し引く前の利益はちゃんと黒字になっているという場合、役員報酬や親族への給与が高すぎる可能性があります。

役員報酬の全額を会社の経費とするためには、原則として、毎月同額の給与(定期同額給与)でなければなりません。また、給与水準に応じて、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料などの社会保険料の金額が変わります。

税理士が関与することにより、会社と経営者個人の所得税や社会保険料のトータルでどの程度の税金や保険料が発生するかのシミュレーションを行い、適正な役員報酬の金額を把握することが出来ます。

創業直後だからこその赤字で将来的には黒字になる予定の場合

会社の場合、青色申告をすることにより、その事業年度で生じた赤字は、9年(2018年4月1日以後開始事業年度は10年)繰り越すことができ、将来発生する黒字と相殺することが可能です。

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その繰り越す赤字のことを繰越欠損金というのですが、税務調査があった場合、その繰越欠損金の金額が正しいものかどうか、チェックが入ります。
すなわち、プライベートの支出が費用として計上されていたとか、資産として認識すべきものを費用にしていたとか、その赤字が経費にできないものであった場合には、税務調査時に繰越欠損金使用時の税額が不足しているものとして追徴課税を受ける可能性があるのです。

今はどうせ赤字だからと高を括っていると、将来的に痛い思いをする可能性があるのです。

常に赤字で将来的にも黒字になる予定はない

この場合は、むしろ会社を継続することに問題があるといえます。

「うちはずっと赤字だし、これからも儲かることなんてないんだよ。だから税理士はいらないんだ」

税理士がいらないというか、そもそも、儲からないのであればビジネスを継続することに疑義がありです。

赤字でも納税しないといけない税金

消費税は申告の仕方で税金が異なる

消費税は一般消費者が負担するものですが、納税は事業者が行います。事業者が行う消費税は、下記の通り計算します。

預かった消費税-支払った消費税=国に納付する消費税

支払った消費税ですが、こちらはその計算が煩雑であることから、前々事業年度の課税売上(※)が5,000万円以下の場合、簡易課税といって預かった消費税に一定の率(業種の区分によって90%、80%, 70%, 60%, 50%, 40%)を乗じて簡便計算することができます。
この簡易課税制度を選択するべきか、それとも選択しないでよいのかの判断を税理士に相談することが可能です。

※ 厳密には、免税売上も含みます。

また、前々事業年度の課税売上が1,000万円以下の場合、消費税を納付する義務がありません。ただ、創業当初、多額の設備投資が必要な場合や輸出業を営んでいる場合には、敢えて消費税の納税義務者を選択することにより、支払った諸費税の還付を受けることが可能です。

このように、消費税ではどのような立場を選択するかによって納付する税額が異なる場合があるので、税理士と相談することが肝要です。

源泉所得税を徴収する義務あり

会社を設立すると、必ずついて回るのが源泉所得税です。役員や従業員の給与に係る税金を会社が国の代わりに給与から天引きし、国に納付する必要があります。税理士や弁護士に報酬を支払った場合、外国人に報酬を支払った場合など、支払った相手ごとに源泉徴収しなければなりません。

そして、その源泉徴収を忘れてしまったり、間違えてしまったりするとどうなるかというと、会社が不納付加算税や過少申告加算税といったペナルティを負担することになってしまいます。

税理士が関与することにより、この源泉徴収の漏れを防ぐことが出来ます。

税金以外でも税理士が役に立てること

コスト節減

税理士報酬の金額を聞いて、「高い」という感想をお持ちの経営者がたくさんいらっしゃいます。しかし、もしご自身でその仕事をした場合、どの程度のコストがかかるのでしょうか。そして、そこにリソースを割くことでどれだけの売上を逃すことになってしまうのでしょうか。

不慣れながらも時間をかけて経理をして、その結果、間違っていたとなると、投資したコストが高くて低品質という最悪の結果となってしまいます。

では、経理の人材を雇った場合はどうでしょうか。当然、税理士の顧問報酬を大きく上回る人件費が発生します。そして、経理を雇ったとしても、税理士ではありませんから、経理はできても税務申告や税務調査対応には十分対応することができません。

結果、税務のプロである税理士に顧問料を払うほうがコストが削減ということがほとんどなのです。

もちろん、顧問料の割に大したことをしない昔ながらの税理士が顧問という場合には、リーズナブルな価格でフットワークの軽い若手税理士に変更することで、コスト削減、かつ、サービス向上が可能にはなります。

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外部から見られることの緊張感

顧問税理士がいることにより、毎月の経営成績について、顧問税理士と話し合うことが出来ます。試算表の数字をみれば会社のことがわかります(適正に帳簿を付けていれば)。プライベートな支出を経費にしようとしても、税理士にばれてしまいます。そういった緊張感をもって、数字を意識しながら経営することによって、適切な経営判断ができるようになります。

予算を立てて、その予算と実績値を税理士と一緒に分析しながら、経営判断に役立てるということが可能です。

まとめ

創業期の赤字のうちは税理士の顧問料の出費はおさえたいという気持ちはわかります。ただ、そこで税務を疎かにしていると、後々税金を余計に支払わなければならないということも珍しくありません。

赤字のまま事業に失敗するのであれば税理士報酬の支払は痛いのでしょうが、将来的に成功を収めるのであれば、早めに自分に合うよきビジネスパートナーの税理士をみつけましょう。

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【編集後記】

昨日は確定申告書を提出しに麻布税務署と港都税事務所をハシゴしました。法人税は税務署へ、都民税・事業税は都税事務所へ行くってだけでも効率悪いので、せめて税務署と都税事務所が近接してくれるとありがたいのですが。

【昨日の一日一新】

飯倉交差点の近くのお店でランチ(なんと、レシートの日付が間違っているとのハプニング)

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------※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。---------

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