税理士として独立して失ったもの、得たもの

独立
Hans / Pixabay
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2016年もあと4日です。今月は●●ロスという言葉をよく聞いた気がします。NHK大河ドラマの真田丸が最終回を迎えての真田丸ロスに、SMAPの年内解散でのSMAPロス。楽しみにしていたものが終焉を迎えるということは、必ずいつかは訪れるものです。

私も今年は会社員生活にピリオドを打ち、税理士として独立しました。独立によっていくつかのことは失われましたが、得ることもたくさんありました。

独立して失ったもの

毎月の給料ロス

独立してまず失ったのは、毎月25日に振り込まれる会社からの給与です。終身雇用の日本では、諸外国に比べれば解雇されるリスクは少なく、毎月の給与というのは私たちの生活を安定させてくれます。

独立したら給与はありません。厳密に言うと、会社を作れば当然給与はあるのですが、その原資となるお客様からの報酬があればこその給与です。会社に労働力を提供すれば必ずもらえるという会社員ならではの給与はありません。

有給休暇ロス

独立すると、有給休暇はありません。休暇は常に無給ですので、会社員の欠勤に相当します。

給与をもらいながら休むということは、独立したらできなくなってしまうのです。

会社員であればこその有休ですから、会社員の方は有効活用しましょう。

上司ロス

独立すると仕事の責任は、自分で取らないといけません。

会社員の場合、基本的には責任を取るのは上司の役目です。会社で仕事をするときには、社長や上司の名前で契約をし、成果物をお客様に提供するのですから、責任は社長や上司がとることになります。会計事務所であれば確定申告書に間違いがあったときには、ハンコを押した所長の税理士の責任です。

同僚ロス

仕事で困ったときに、気軽に相談できる同僚が隣にいません。

飲み会で上司の愚痴をこぼす相手がいません。

部下ロス

人を採用すれば部下はできるのでしょうが、ゼロからスタートの独立で、すぐに人を雇うのは難しいです。豊富な資金力がある方や著名な方、前の勤務先からごっそりとお客様を引き抜いた方でなければ、すぐには人を採用することはできません。

部下がいないと全部自分でやらなければいけません。事務所の掃除、銀行への振込み、郵便物などの発送、資料のコピーから電話対応までの雑務から資料の作成やお客様とのアポどりまですべて一人でやることになります。

業者へ委託できることもありますが、割高なことも多く、私の場合は効率化して雑務を減らすことで対処するようにしています。

独立して得たもの

ストレスフリー(つまらない悩み事からの解放)

独立した方の多くが独立してよかったことに挙げるのが「ストレスからの解放」です。もちろん、独立しても食べていけるように仕事を受注して稼がなくてはいけないとか、お客様が満足する仕事をしなければいけないといったプレッシャーはありますが、下記のようなつまらないストレスからは解放されます。

  • 定時だけど上司や同僚が帰らないから帰りづらい(暇だと思われそう)
  • 何となく有休がとりづらい
  • 友人との飲み会の日に忙しくなってしまうと、ドタキャンで友人に迷惑をかけてしまうかも…
  • 飲み会では上司や先輩にお酌しなきゃいけない
  • 仕事の内容はこれでOKだけど上司の好みに合わせてアレンジしないといけない

独立することで、周りの目を気にすることなく、お客様へ提供する仕事だけに集中することが出来ます。

それ以外の社内の煩わしい人間関係については、気にする必要がなくなりますので、ストレスが大幅に解消されます。

自由な時間の使い方

会社に勤めていると、暇な日でも9時~17時までといった定時の時間帯には会社にいかなくてはいけません。

裁量労働制を採用している会社でも定時があることが多く、定時にいかないと罰則はないはずなのに、人事考課に響いたりします。日本の裁量労働制は残業代カットの温床となっている面が否めません。

それに対し、独立起業してしまえば、時間は自分の自由です。生活に必要なお金を稼げれば、時間の使い方は自分の好みで決めることができます。

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例えば、下記のような働き方が可能です。

<繁閑の差が激しい働き方をしている方>

忙しい時期は土日も働く代わりに、暇な時期は平日も余暇にあてる

<繁閑の差が激しいのを好まない方>←私はこっちが好み

時期の偏りがないように仕事を獲得し、土日祝日の休みは確保しつつ、平日も働きすぎないよう調整

仕事に対する経営者としての強い責任感

上司がいなくなったことにより、仕事の責任は全部自分で取らなければなりません。会社員であってももちろん、強い責任感で仕事をする必要があり、私もそのようにしていたつもりではありましたが、何かあったときでも会社や上司が責任をとってくれるという甘えはなくすことは困難です。

独立することにより、そういった甘えのない、経営者としての強い責任感をもって仕事をすることができるようになります。

信頼関係のあるお客様

会社や所長の名前ではなく、自分の名前で契約をしてくれるお客様と仕事をすることになります。大きな看板を失ったことで仕事を獲得するのは難しくなるのが通例ですが、そのような中でも自分と契約をして頂けるお客様が相手です。

自分の名前で契約してくれたお客様ですから、信頼関係を築くチャンスは広がります(もちろん、失うリスクも高くはありますが…)。

失うことで新しいものが入ってくる

独立することで今あるものが失われていきます。ただ、それと同時に、新しいことが入ってきます。人間の器には限りがありますから、その器を空けないと新しいものは入ってきません。そして、器を空ければ、必ず新しいものが入ってきます。

独立とはリスクを伴うものではありますが、会社員という立場を捨てることによって、新しいものを獲得する大きなチャンスが生まれるのです。

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【編集後記】

昨日、マイナンバーカードを取得しました。東京都の北区役所では、個室に近い特別な部屋が用意されており、厳重に個人情報を守ってますという体制の中、無事、マイナンバーカードを受け取りました。

マイナンバーカードの引き渡しの厳重さ、マイナンバーの管理の厳格なルールを考えると、これを毎日財布に入れてポイントカード代わりに使えるようにして普及させようとする国の方針に矛盾を感じざるを得ません…。

【昨日の一日一新】

マイナンバーカード取得

王子のステーキ屋さんでランチ

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