飲食店バイトで学ぶ会計・税金・経営のこと

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大学生の頃、私はファーストフード店でアルバイトをしていました。アルバイトながらマネージャーというポジションで働かせて頂いたこともあり、店舗運営で必要な仕事は、製造、レジ、在庫管理、発注、人員配置、開店、閉店、閉店後のメンテナンスなどの一通りの仕事を経験しました。その仕事の中には、会計・税金・経営に関することが含まれており、簿記の勉強や税理士の勉強にも役に立ちました。

会計・税金・経営が学べる飲食店

飲食業のアルバイトとは言っても、必ずしも会計・税金・経営が学べるわけではありません。私が学びのあったアルバイトだったと感じるのは、大企業の子会社であるファーストフード店であり、経営管理が各店舗まで行き届いていたからこそなのでしょう。

また、すぐに辞めてしまっては、その仕事の全体像が見えてこないため、オーナーや社員から仕事を任せてもらえる程度の信頼を得るまで続ける必要があります。

上場企業やその子会社などの場合には、店舗まで経営管理が行き届いていることが求められています。そのため、単に時給を得ることだけを考えるのではなく、その店舗で行われている施策が社会人になった後も役に立つことがあります。

稼げればいいやとか、出会いがあって楽しい、とかだけでなく、社会人として必要な知識を学べる場と捉えて働くとよいでしょう。

なぜ在庫管理を行うか?

飲食店における利益

飲食店における本日の利益とは、下記1、2のどちらが正しいでしょうか。

(例)本日の売上100万円(販売価格1,000円×販売数量1,000個)、本日の仕入45万円(単価300円×1,500個)、人件費その他経費50万円

(注) 本日朝の在庫はゼロだったと仮定します。

  1. 売上100万円-仕入45万円ー人件費その他経費50万円=5万円
  2. 売上100万円-30万円(単価300円×1,000個)ー人件費その他経費50万円=20万円

正解は、上記2の20万円になります。

上記1の5万円は収支と言い、収入から支出を差し引いたものです。この収支は、次の日の分も備えて大量に仕入れれば収支はマイナスへ販売実績に関わらずゼロに近づいたり、マイナスになったりします。

それに対して、利益は販売実績に基づく成果を表すものであり、利益の計算上、売上100万円から差し引くのは支出額45万円ではなく、販売実績に基づく単価300円×販売数量1,000個=30万円となります。つまり、利益は仕入の多寡に影響されることのない、販売実績に基づく数字となるわけです。

在庫管理の必要性

上記の例では、販売数量が1000個として利益の計算をしました。すると、仕入れた1,500個のうち500個は在庫として残っているはずです。しかし、現実的には、在庫が500個残っているということは稀です。

ファーストフード店を例にとると、

  • バーガーを作っているときに手が滑ってバンズが落ちた
  • 作り置きしていたが、売れないまま一定の時間が経過したので廃棄した
  • ポテトMサイズは180gと決まっているが、毎回ピッタリ180gにすることは難しい(クレームにならないよう少なくすることはないので、若干多めに消費)
  • バイト君が社員の目を盗んでつまみ食いをした

などの原因で、実際には理論値の在庫500個を下回っているのが一般的です。ですから、主要な原材料については、毎日閉店前に在庫を確認していました。

そして、在庫が490個であれば、足らない10個は製造ミスや廃棄などのやむを得ないものですから、単価300円×10個=3,000円は「棚卸減耗費」という経費として処理をします。

この場合には、利益は100万円-30万円-50万円-棚卸減耗費3,000円=19万7千円となります。

アルバイトをしていたころ、

「インベとってきて」

という風に社員から指示を受けて在庫チェックをしていました。
当時は「インベ?それって何?」とよくわからずに在庫チェックしていましたが、今思えば”inventory(在庫)”のことだったんですね(笑)

在庫に異常値がある場合

上記の例で、在庫が100個しかないということになれば、さすがにそれは異常値です。

数え間違いがないか、もし数え間違いがないのであれば、大量廃棄などがなかったか、その異常値の原因を調査する必要があります。もし、その原因が従業員やその他の人の盗難ということであれば、早めに気付くことでその被害を最小限にとどめることが出来ます。

チェーン店展開している飲食店で賄いが無料でない理由

飲食店でアルバイトをしていると、「賄い付き」というのが一つのメリットでもあります。しかし、大手企業のチェーン店でアルバイトをすると、通常、賄いはありません。賄いがあったとしても有料であったりします。私が働いていたファーストフード店でもそうでした。優待価格で購入はできましたが、タダにはなりませんでした。

これには、訳があります。「賄い付き」のお店に税務調査に入った時、その賄いについては、現物給与として認定されてしまいます。

例えば、1食500円分の賄いを30日間与えていたということになると、500円×30日=15,000円が給与として認定されしまいます。給与ということになると、お店側は源泉徴収が必要になります。源泉徴収漏れということであれば、お店は「不納付加算税」といって本来納めるべき税額の10%相当額のペナルティを支払うことになってしまいます。

なお、賄いは無料というわけにはいかないのですが、下記の条件を満たす場合には、現物給与との認定を受けることなく、優待価格を設定することが可能です。

  1. 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
  2. 次の金額が1か月当たり3,500円(税抜き)以下であること。
    (食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)

1食500円の賄であれば、従業員に250円以上は負担させること、そして、会社が補てんする食事代は1月3,500円以内にすることが必要になります。

人員配置がお店の成果を左右する最重要ポイント

売上を決めるのは人員配置

売上の最大値を決めるのは、人員配置です。料理を作る、そして、それを配膳するといったことは人が行い、それには最大値があります。いくらたくさんお客様が来店したとしても、お客様に満足してもらうだけのリソースを割かなければなりません。

予算に応じて人員配置を決める

私が働いていたファーストフード店では、毎日その日の売上目標が与えられていました。そして、その売上げ目標は時間単位で設定されていました。売り上げの少ない時間帯は薄めに、売上の多い時間帯は厚めに人員配置する必要があります。ただし、アルバイトの方の希望する勤務時間もありますので、社員の方がその日の予算に応じて人の遣り繰りをする必要があります。その日のその時間帯に働きたいという要望が多ければ、その希望は通りませんし、人が必要なのに希望する人がいないという場合には、シフト担当の社員がアルバイトに電話をしてはいれる人を探していました。入る人が誰もいないというときには、シフト担当の社員が自ら穴埋めに入るということもありました。

余談

こういう時に強いのが、アルバイトの子を彼女にしている社員でした。薄いシフトを埋め合わせているのが特定の子ばかりだと、「ん?シフト担当の社員と付き合っている?」というのが見えてきたりもしました。

まとめ

飲食店は、非常に数も多く、競争の激しい業界です。そういった中で勝ち抜くためには、しっかりとした「経営管理」が不可欠です。どんぶり勘定、どんぶり経営ですと、お客さんが獲得できているにもかかわらず、資金繰りの悪化で倒産ということにもなりかねません。

お客様が満足してくれる料理の味やサービスも大事ではありますが、それを支えるためにも経営管理をしっかり行っていただきたいものです。

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【編集後記】

申し込んでいたライブのチケットが抽選で当たりました。とりあえず2枚で申し込んでいたのですが、もう1枚をどうするか考え中です。小6の長女を連れていくか、子供を預けて妻と行くか、他の人を誘っていくか。
長女が行きたがっているので、多分、長女と行くことになると思うのですが、チケットの価格は1枚14,000円。小学生を連れていくには少々高めな気がします。。

【昨日の一日一新】

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------※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。---------

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