『経理部は見ている。』が売れることは経理部にとっては良いこと

2017年10月16日


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『経理部は見ている。』、タイトルと新聞広告の見出しに誘われて購入。経理部在籍経験もあり、税理士として日々経理部と接している私にとって、このキャッチコピー、ちょっと言い過ぎじゃない?と思いつつ。

『経理部は見ている。』の著者と対象とする読者

『経理部は見ている。』の著者楠木新氏は実は経理も経験していた!

楠木新氏というと、人事畑を歩んできた方という印象をもっていたのですが、『経理部は見ている。』でのプロフィールをみると、「人事・労務関係を中心に、経営企画、経理、支社長等を経験」と書いてあり、経理経験があることがわかりました。

ただ、本の内容を読む限り、経理部に詳しいという印象よりも、経理部に在籍していた経験を活かしつつ、綿密な取材によって執筆したことが伺えます。

対象としている読者は経理部以外の社員

この本の対象としている読者は、経理部に在籍したことがない方なのではないかという印象でした。会社の経費精算は経理部に見られている、これは経理部にいると極々当たり前なのですが、大きい会社になればなるほど経理担当者の顔が見えないので、そういった意識が希薄になる面はあるのでしょう。

営業の方の中には、経費の精算が遅れると催促してくるし、お客さんとの接待の経費を精算すると「何人でいったのですか?メンバーの氏名を教えてください」とか聞かれるし、売上取ってきていないのにうるさくて目障りな存在という見方をしている人が一定数います。そういった方々にその理由をしっかりと説明してくれているので、『経理部は見ている。』というタイトルに惹かれて読んでもらえば、経理部のことを少しは理解してくれるのではという期待が少し沸きました。

経理部の人が読んでも意外と面白いかも!?

一口で経理部と言っても、会社によってその仕事の範囲は大きく異なります。基本とするのは、領収書を受け取って会計帳簿と決算書を作るといったところで、そのほかは会社によって千差万別です。大企業の経理部で連結決算の部署にいる方にとっては、この本で書かれている経費精算の仕事はしていないでしょうし、会社のルール通りに経理を行っていて、その理由についてまでは実は理解していないという方にとっては、勉強にもなると思います。特に、経理部配属直前の方にとっては、仕事のイメージがつきますので、特におすすめです。

『経理部は見ている。』が売れることのメリット

経理部の仕事が円滑に進むようになる

経理部の仕事内容を理解してもらうことで、経理の仕事が円滑に進むようになるのでは、と期待しています。また、会社のお金を不正に使うことがどのような結末を招くかということを強調していますので、税務調査で不正を指摘されるリスクが下がることにつながるでしょう。

経理部の地位が向上する

経理部とは、サッカーでいえばDFのようなものです。売り上げをとってくるのは、FWのような存在である営業です。ただ、FWだけではサッカーの試合で勝てないのと同様、会社もDF的な存在である経理部がしっかりしていないと良い会社であることが難しくなります。

営業成績のよい社員だからといって、「俺が売上をとってきているのだから、少しくらい会社の経費を自由に使っていいだろう」というのは通用しません。これが税務調査で発覚した時には、会社が仮装隠蔽をしたということで重加算税が課せられ、不正を行った社員は会社から懲戒処分などを受けることになります。場合によってはそれが新聞報道され、会社の評判も下げることになってしまいます。

経理部が不正に目を光らせ、DFとして失点を防ぐことで、それがもたらすであろう大きな損失を未然に防いでいるのです。

私がこの本で学んだこと

『経理部は見ている。』というこのタイトル、なんだかすごいことが書いてあるようで、経理部経験者からすると当然の内容が書いてあります。ただ、その当然というのは経理部にいる人・いた人だけであって、それ以外の人から見れば目新しいことなのです。

普段、自分が当たり前に思っていることが実は他人にとっては当たり前ではないのです。

独立し起業するものとしては、「自分が何を得意としていて、どういう面でお客様に貢献できるのか?」という強みを考えるとき、自分が無意識で当たり前のこととして行っていることを意識し、それを伝えることが大事であると認識させられました。

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【編集後記】

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体力の低下と体重の増加に危機感を感じ、この週末からランニングを始めました。三日坊主にならないよう、頑張ります。。

【週末の一日一新】

いつも車で買い物に行くスーパーへランニングで行く

お化け輪投げ

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