会社を設立して事業を始めるときに知っておきたい税金の基本【入門編】

2017年3月31日


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事業を立ち上げると感じるのが、税金の負担感です。会社員として働いているときは、給与の手取り金額だけにしか興味がなければ、意外と負担感なく過ごしがちです。私のように給与明細をしっかり見るタイプの人間でも、「こんなに引かれているのか!」と思うものの、自分で直接納付しているわけではないので、そう思っておしまいです。しかし、事業を立ち上げると、その税金を自分で納めることになるので、その負担感が倍増します。そこで、事業を始めた時にどのような税金がかかるのか、その基本をまとめました。

税金の種類

事業を行うときに掛かる税金の主なものは、次の通りです。

事業で生じた利益(正確には、「所得」といいます。)に対して係る税金

会社で行っている事業で利益が出ている場合に課税されるのが、次の3つの税金です。

  • 法人税
  • 住民税
  • 事業税

法人税、住民税及び事業税の負担は、会社で生じた利益の約30%~35%程度です。中小企業の場合であり、利益が少ない場合には税率が軽減されますが、それでも、最低約21%程度の負担が生じます。

利益に対して課税される税金ですから、赤字であればこれらの税金は発生しません。ただし、住民税だけは、資本金等の規模に応じて課税される均等割というものがありますので、東京23区であれば最低年7万円の税金が発生します。

給与に係る税金

社長である自分自身や従業員に給与を支払う場合、その給与に対して課税されるのが所得税と住民税です。

所得税は、その所得に応じて5~45%の税率で課税されます。住民税は、一部の例外地域を除き10%の税率で課税されます。

この所得税や住民税は給与に対して課税するので、その負担者は役員や従業員なのですが、源泉徴収して納付する仕組みになっているため、なんとなく会社が負担している気分になります(もっとも、給与を負担しているのが会社自身ですので、大枠で言えば給与に課税される所得税や住民税も会社の負担とも言えますが)。

これに対して、天引き後の給与をもらっている役員・従業員は、税金を負担している感覚が希薄になりがちです。

物の消費に対して課税される消費税

消費税とは、物を購入したり、借りたり、サービスの提供を受けたりしたときに、消費者が負担する税金です。会社は、その税金を預かって、国に納付します。

つまり、会社は消費者から消費税を預かって、国に納付するのですから、本来的には消費税を負担していません。ただ、やはり一度お財布に入ったお金は自分のものという意識を持ちがちです。ですから、その消費税の納付が負担に感じてしまいます。

なお、会社が国に納付する消費税は、大雑把にいうと、次の通りに計算した金額になります。

売上に係る消費税(売上時に消費者から預かった消費税)-仕入や経費に係る消費税(仕入や経費の支払時に支払った消費税)=国に納付する消費税

文書に貼る収入印紙

他の会社などと契約書を交わしたときや領収書を発行するときなどに必要となるのが印紙税です。一定の文書を作って書面に落とすと税金が発生してしまうのが、印紙税です。ちなみに、契約書を電子化して書面にしない場合には、印紙を貼る必要はありません。

印紙税は廃止された国も多く、個人的にはこれに対して税金が課されるのは納得いかないのですが、税収不足の日本ではそう簡単に廃止になることはないでしょう。

ちなみに、印紙税は税理士の独占業務ではありません。税理士試験でも印紙税の科目を学ぶことはありませんので、税理士の専門領域ではないのです。ただ、お客様にとっては税金と名の付くものは税理士に聞くということになりますので、お客様から質問を受けることでだんだん印紙税についても詳しくなる環境にはあります。

登記すると必要となる登録免許税

会社を設立するとき、資本金を増やすとき、土地建物を登記するときなど、登記するときに必要となるのが登録免許税です。

不動産を取得した時には、これとは別に不動産取得税というのが必要になります。

固定資産税・償却資産税

固定資産税というと、個人の場合、土地建物といった不動産を所有している人だけに掛かる税金という思う方が多いでしょう。

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しかし、事業を行っている場合には、土地建物以外の固定資産に対しても固定資産税が課税されることになります。会社で所有している構築物、機械装置、工具器具備品などについて自治体に申告をし、その申告に基づいて、固定資産税が課税されます。

その他

上記以外にも、自動車税、重量税、酒税などなど、事業の種類によっては、色々な種類の税金を負担することになります。温泉に入ると払う必要がある入湯税など、税理士であってもすべてをちゃんと把握するのが難しいと言ってよいくらい、税金の種類がたくさんあります。

基礎知識を身につけておきたい税金

税金を学ぼうという姿勢のある方からは、よく「税金って難しいね」と言われる税法ですが、納税者としては税理士に依頼するとしても基礎知識はおさえておきたいものです。税理士が関わっていたとしても、やはりその税理士の仕事ぶりをしっかり見る目をもっておきたいですし、税理士側から見ても、税金への理解がある方のほうがより税務リスクの少ない確定申告をすることが可能です。税務調査でも同様です。

会社経営者であれば、法人税、消費税については、基礎知識を身につけて、会社がとっている税務ポジションを理解しておくとよいでしょう。

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【編集後記】

3月提出期限の確定申告を終わらせてほっと一息つきたいところですが、3月決算の準備を着々と進めていかないといけない今日この頃です。ただ、子供たちも春休みで家にいるため、どこかに連れて行ってあげたいなと

ただ今計画中。

【昨日の一日一新】

俺の魚を食ってみろ!!神田南

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