【2018年度税制改正大綱】収益の認識等の税制改正は大規模になる予感!?

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与党の平成30年度税制改正大綱によると、収益の認識等について税制改正が行われるとのことです。

そこで、気になるのは、収益認識に関する会計基準(案)との関連です。

収益認識に関する会計基準は、原則として、2021年4月1日以後開始事業年度から適用されることになります。

早期適用は、2018年4月1日以後開始事業年度等から可能とのことです。

※ 収益認識に係る会計基準は、現時点では公開草案という状況です。

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2018年度税制改正大綱:収益の認識等

収益の額

2018年度税制改正大綱による資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供(以下、「資産の販売等」という。)に係る収益の認識額は、以下の通りです。

原則として、その販売若しくは譲渡をした資産の引渡しの時における価額又はその提供をした役務につき通常得べき対価の額に相当する金額とすることを法令上明確化

※ 引き渡しの時における価額又は通常得べき対価の額は、貸倒れ又は買戻しの可能性がある場合においても、その可能性がないものとした場合の価額による

ポイントは、上記赤字部分です。

収益に関する会計基準では、貸倒れや買戻しの可能性がある場合には、その可能性を考慮した金額を収益として認識することとなるケースがあるようですが、税務上はその可能性を考慮しないため、「売上計上漏れ」として益金算入の税務調整を行うことになると想定されます。

また、収益の額としては、税制改正大綱では以下の注書きがありました。

資産の販売等に係る収益の額を実質的な取引の単位に区分して計上できることとするとともに、値引き及び割戻しについて、客観的に見積もられた金額を収益の額から控除することができることとする

今まで、売上割戻引当金として否認していたものが、「客観的に見積もられた金額」であれば、否認する必要がなくなるということなのでしょうか。

実際の法令でどのように規定されるのか、気になるところです。

収益の認識時期

収益の認識時期については、税制改正大綱では、以下の記載がありました。

② 資産の販売等に係る収益の額は、原則として目的物の引き渡し又は役務の提供の日の属する事業年度の所得の計算上益金の額に算入することを法令上明確化する

これまでは、法人税法基本通達において、収益の認識時期について示したものがありましたが、それが法人税法に格上げになるというよりも、収益に関する認識基準の内容を織り込んだものになるのではないかと個人的には予測しています。

資産の販売に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って上記②の日に近接する日の属する事業年度の収益の額として経理した場合には、上記②にかかわらず、当該資産の販売に係る収益の額は、原則として当該事業年度の所得の計算上益金の額に算入することを法令上明確化する

こちらの「一般に公正妥当と認められる会計基準」というのが、まさに、「収益に関する会計基準」を指すことになるのでしょう。

返品調整引当金制度の廃止

返品調整引当金制度については、廃止されるとのことです。

ただし、2018年4月1日において返品調整引当金制度の対象事業を営む法人については、2021年3月31日までに開始する事業年度については現行通りとし、それ以後は10年間かけて10分の1ずつ縮減されるとのことです。

なお、収益認識に係る会計基準(案)の設例では、返品の見込みがある場合には、以下の会計処理になるとのことです。

(借方)売掛金 100 (貸方)売上   98

返品負債 2

この返品負債は、買戻しの可能性によるものなので、売上計上漏れとして益金算入されることになると思われます。

延払基準の廃止

長期割賦販売等に該当する資産の販売等について延払基準について収益の額及び費用の額を計算する選択制度は、廃止されるとのことです。

ただし、以下の経過措置が設けられるとのことです。

  • 2018年4月1日前に長期割賦販売等に該当する資産の販売等を行った法人について2023年3月31日までに開始する事業年度については、延払基準による収益及び費用の認識を認める
  • 2018年4月1日以後に延払基準による収益認識をやめた場合の繰延割賦利益額を10年均等で収益計上することを認める

収益認識に係る会計基準を読む限り、延払基準に該当するものはないようですので、こちらもやはり、会計基準の変更が影響しているのではないでしょうか。

延払基準は経理要件が付されていますし。

収益認識に係る会計基準

日本では、収益の認識に関して、包括的な会計基準というものがありませんでした。

それに対して、国際会計基準審議会(IASB)及び米国財務会計基準審議会(FASB)は、共同して収益認識に関する包括的な会計基準の開発が行いました。

国際会計基準(IFRS)では2018年1月1日から、米国会計基準(USGAAP)では2017年12月15日から、その開発された収益認識に関する包括的な会計基準が適用されることとなりました。

これらを受けての日本での収益認識に係る会計基準の適用となります。

なお、公開草案は、下記リンクに掲載されています。

https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2017/2017-0720.html

これらをどの程度、法人税法に落とし込んでいくのか、税制改正法案の行方が気になるところです。

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【編集後記】

週末は今年最後のキャンプに行く予定でしたが、妻&二女の発熱により中止。

特に、二女はインフルエンザに感染しており、それどころではありませんでした。

学校でかなり流行しているらしく、学級閉鎖のクラスもあるとか。

体調管理に気を付けないとですね。

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------※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。---------

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