【2017年度税制改正大綱】適格要件の見直し~会社分割で無税でgood事業を残し、bad事業を整理する方法~

2020年4月5日


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neufal54 / Pixabay

現行の組織再編税制では、親会社が子会社のgood事業を会社分割により切り出し、bad事業を売却すると、子会社においてgood事業の含み益に対して課税されるという問題がありました。

2017年度税制改正大綱によると、企業グループ内の分割型分割について組織再編税制における適格要件を見直し、無税でgood事業を残し、bad事業を整理することが可能になります。

会社分割で無税のgood事業を残し、bad事業を整理する方法

下記のスキームを前提として、現行の組織再編税制における取扱いと2017年度税制改正大綱による取扱いを比較してみましょう。

<会社分割>

親会社であるP社がS1社のgood事業とbad事業を切り分けることを企図して、分割型分割によりgood事業をS2社へ移転し、bad事業だけをS1社に残すようにします。

分割型分割とは、上記の図で説明すると、S1社がgood事業の対価として交付を受けたS2社の株式を現物分配によりP社などの株主へ移転させるスキームをいいます。

<S1社の売却>

P社は、bad事業のみのS1社の株式を外部へ売却し、整理します。

現行の組織再編税制における取扱い

現行の組織再編税制では、企業グループ内の分割型分割における課税を繰り延べる適格要件の一つとして、支配法人であるP社と分割法人S1社及び分割承継法人S2社の支配関係(株式の50%超を保有する関係)が継続することが求められます。

上図のケースでは、P社はS1社を売却することを予定していますので、適格要件を満たさなくなり、下記の通りの課税関係が発生します。

  • S1社のgood事業の含み損益に対して課税
  • P社において、みなし配当が発生

2017年度税制改正大綱による取扱い

2017年度税制改正では、下記の通り記載されています。

企業グループ内の分割型分割に係る適格要件のうち関係継続要件について、支配法人と分割承継法人との間の関係が継続することが見込まれていることとする

『平成29年度与党税制改正大綱』より

つまり、他の適格要件を満たしているのであれば、支配法人であるP社は分割承継法人であるS2社のみ継続的に50%超保有し続けていれば、課税の繰り延べ(税金が発生しない)ということになります。

適用時期

この改正は、2017年10月1日以後に行われる分割型分割に対して適用されます。

まとめ

これまでは会社分割を活用した不採算事業の整理が難しかったのですが、今回の改正により不採算事業の整理が進み、企業の選択と集中が促進されることになるでしょう。

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【編集後記】

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