【所得税&相続税】お香典を受け取った時の税務上の取扱い

2020年4月5日


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JesusManuel1 / Pixabay

結婚式でもらったお祝い金、入院した時のお見舞金、大切な方が亡くなった時に受け取るお香典などは、税務署へ申告することなく、何となく自分のお金として扱っているのが一般的かと思います。しかし、こういったものにも、実は、税務上の取扱いはきちんと定められています。

お香典を受け取って確定申告しなくてもOK?

受け取ったお香典の所得税法上の取扱い

お香典を受け取った時の所得税の取扱いは、所得税基本通達9-23によると、以下の通りとなります。

葬祭料、香典又は災害等の見舞金で、その金額がその受贈者の社会的地位、贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、令第30条の規定により課税しないものとする。

すなわち、一般的な常識の範囲内のお香典であれば、所得税は非課税となっているのです。つまり、確定申告の必要はありません。

結婚式でもらったお祝い金や入院した時のお見舞金も同様です。常識的な金額の範囲内であれば、所得税は課税されません。

では、一般的な上記の範囲を超えてしまった場合はどうかというと、一時所得として取り扱うべきでしょう。

(ご参考)支払ったお香典の税務上の取扱い

お香典を支払った時の税務上の取扱いは、以前、記事にしています。

https://www.ysk-consulting.com/cash-contribution_condolence-payment/

大まかには、下記の取扱いと考えて頂ければ、よいでしょう。

  • 従業員に対するもの:福利厚生費
  • 取引先などの従業員以外の事業関係者に対するもの:交際費
  • 役員と個人的に付き合いのある方で事業と関係のない方に対するもの:役員給与

受け取ったお香典の相続税への影響は?

相続税の計算の基本

相続税は、相続財産に対して課税されます。ただし、誰にでも課税されるというわけではなく、一定の財産を持っている方が課税されます。なお、相続税の申告義務は、下記の場合に生じます。

  • 相続財産が基礎控除額を上回る場合
    基礎控除額は、次の算式に基づいて計算します。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

葬式費用は相続税財産から控除できる

大切な方が亡くなった時の葬式費用は、結構多額にかかってしまうものです。そこで、相続税では、課税対象となる相続財産の金額から、葬式費用を控除することができます。

控除することが出来る葬式費用は、次の通りです。

  1. 葬式や葬送に際し、又はこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が認められます。)
  2. 遺体や遺骨の回送にかかった費用
  3. 葬式の前後に生じた費用で通常葬式にかかせない費用(例えば、お通夜などにかかった費用がこれにあたります。)
  4. 葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用
  5. 死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用

お寺などへの読経料などのお礼は、通常、領収書は発行されませんが、日付、金額、寺院の名称をメモするなどすることで、葬式費用に含めることが可能です。

これに対して、次の費用は、葬式費用には該当しません。

  1. 香典返しのためにかかった費用
  2. 墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用
  3. 初七日や法事などのためにかかった費用

墓石や墓地も結構なお金がかかりますが、残念ながら、葬式費用に該当しません。

お香典をもらった時の相続税の取扱い

お香典をもらうのは、故人ではなく、あくまでも遺族です。ですから、お香典は相続税の対象となる相続財産には該当しません。気を付けるべきなのは、香典返しの費用を葬式費用に含めてはいけないことです。葬儀社からの請求をすべて葬式費用としてしまうと、葬式費用が過大となってしまうので注意しましょう。

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【編集後記】

昨日は、午後に法人のお客様の確定申告の報告と、今後の法人の運営方針を打ち合わせをし、夜はお世話になっている大先生主催の異業種交流会に参加しました。

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【昨日の一日一新】

緊急事態発生のため、休業中

昨日書き忘れましたが、一昨日、弟、妹と兄弟3人だけで夜、食事をしました。何気に兄弟3人だけで食事をする機会というのはこれが初めて。なので、これも一日一新ですね。

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※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。

また、ブログの内容等に関する質問は、受け付けておりませんのでご了承ください。

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