外国法人が日本に支店を設置するときの課税と必要な税務上の手続

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Hans / Pixabay

外国法人が日本に進出する場合、主な進出形態は、下記のいずれかです。

  1. 日本法人を設立する
  2. 日本に支店を設置する

日本法人を設立する場合は、当然、日本の会社ですから、法人税の課税対象となります。

では、日本に支店を設置する場合はどうかというと、この場合も、日本で法人税の課税対象となります。

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外国法人が日本に支店を設置するときの課税

法人税、住民税及び事業税

日本では、外国法人が日本に支店を設置した場合、その外国法人がその支店を通じて稼得した利益に対して、法人税、住民税及び事業税が課税されます。

外国法人の日本支店での利益を1,000万円、日本の税率を30%と仮定した場合、約300万円の法人税、住民税及び事業税が課税されることとなります。日本では、法人税、住民税及び事業税は、自分で計算して申告書を税務当局に提出する申告納税方式を採用しており、決算日の翌日から2月以内に確定申告書を税務署へ提出する必要があります。

なお、本店の所在地国によっては、日本で稼得した利益に対して、本国でも法人税が課税されることがあります。その場合、日本で納付した法人税等を本店所在地国の法人税から差し引くことができる制度(この制度を外国税額控除といいます)がある場合があります。

気を付けて頂きたいのは、「日本支店について本店所在地国で課税されているから、日本では法人税を納付しなくてもいい」と勘違いしないことです。

日本支店について本店所在地国で課税されている場合でも、日本での税務申告は必要で、日本でも法人税を納付する必要があります。日本での申告が漏れてしまうと、無申告加算税などのペナルティーが課されてしまうのでご注意ください。

住民税均等割

外国法人が日本に支店を設置する場合、その支店の所在地で住民税均等割が課税されます。均等割とは、事務所の所在地の地方自治体で課税される税金であり、従業員数や資本金等の規模に応じて課税されるものです。

東京23区のみに事務所を有する場合、均等割の税額は、以下の通りとなります。

2017-07-25

(東京都主税局ホームページより引用)

外国法人の場合、資本金等の額は外貨ですから、決算日の為替レートで換算した円貨で計算します。

すると、日本支店は規模が小さく、従業員が数人しかいない状況でも、本店所在地国では資本金が50億円を超えるような大規模法人であれば、年間121万円の均等割を納付する必要があります。

消費税

外国法人が日本で事業として資産の譲渡、貸付、サービスの提供を行って売上が計上されている場合、納税義務者として日本で納税する必要があります。

ただし、前々事業年度の課税売上高が1000万円以下の場合で、前事業年度の上半期の課税売上高も1000万円以下であるときなどは、納税義務が免除されます。

外国法人が日本支店を設置したばかりのときであれば、前々事業年度は日本での売上がないのが通常でしょうから、免税事業者であるのが通例です。

源泉所得税

日本支店で従業員に対して給与の支払いがある場合、外国法人は従業員の給与から所得税を天引きし、その支払の日の翌月10日までに税務署へ納付しなければなりません。

外国法人が日本に支店を設置するときに必要な税務上の手続

税務署・地方自治体へ必ず提出する届出書

外国法人が日本支店を設置した場合、下記の届出書を必ず税務署へ提出する必要があります。

届出書・申請書の名称 提出期限
外国普通法人となった旨の届出書 支店設置後2月以内
給与支払事務所等の開設届出書 給与支払事務所開設の日から1か月以内

「外国普通法人となった旨の届出書」には、次の添付書類が必要です。

  • 定款等の和訳文
  • 支店設置時における貸借対照表
  • 国内において行う事業の概要を記載した書類

また、地方自治体には、「法人設立届出書」を提出する必要があります。提出期限は、設置から15日以内です。

税務署へ提出したほうがよい届出書・申請書

提出は義務ではありませんが、下記の届出書・申請書については、提出したほうがよいでしょう。

  • 青色申告の承認申請書
  • 申告期限の延長の特例の申請書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(従業員10人未満の場合)

「青色申告の承認申請書」は、提出が義務付けられている届出書ではありませんが、青色申告の特典があるため、必ず出しておきたい申請書です。

源泉所得税の納期の特例とは、従業員が10人未満の場合、毎月必要となる源泉所得税の納付を年2回にすることができる制度です。

青色申告と源泉所得税の納期の特例の詳細については、下記リンクの記事をご参照ください。

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申告期限の延長については、外国法人であれば出すようにしましょう。日本の法人税の確定申告期限は事業年度終了後2月以内ですが、事業年度終了後2月では本店の決算書が確定していない可能性があります。本店の決算が確定しないと日本支店の申告に支障をきたす場合がありますので、状況に応じて1~4月の延長を申請しておきましょう。

このほかにも、消費税の支払はあるものの、売上は輸出取引や外国人へのサービスの提供などで免税となっている場合には、課税事業者を選択するために「課税事業者選択届出書」を提出することもありです。

消費税は常に還付であるという場合には、還付を早めるために、「課税期間短縮届出書」を提出して資金繰りを改善することも可能です。

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【編集後記】

週末は越谷レイクタウンへ買い物に出かけました。ちょうど1年前は会社を退職したばかりで収入の不安があり、夏のバーゲンでもあまりお金を使わなかったのですが、今年は例年通りの買い物ができました。

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------※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。---------

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