もし税理士報酬を値段の安さで勝負したのであれば…

2020年4月5日


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annca / Pixabay

Google検索やFacebookの広告で、安さで勝負する会計事務所をよく目にします。

もし自分が安さで勝負するとしたらどうするか、想像してみました。

集客は上手くいくでしょう

安さで勝負すれば、集客には困らないでしょう。

ゼロからの独立であれば、集客目当てにまず考えがちなのが値段を下げること。

ただ、値段を下げてまともなサービスを提供していたら、貧乏暇なしになること間違いなく、身も心もすり減らしてしまいます。

格安税理士報酬だとこんな感じ

仮に顧客の平均顧問料が年20万円としましょう。

すると、売上1,000万円を達成するには、50件の顧問先が必要です。

日本人の年間の平均労働時間は約2000時間です。

もし従業員を雇わずに一人で顧問先対応をするのであれば、1件当たりに費やせる時間は年間40時間です。

申告業務、源泉所得税、年末調整・法定調書などの業務をトータルで16時間で終わらせると考えた場合、月々の業務で使える時間は2時間。

もし毎月訪問であれば、1回訪問するだけでそのくらいの時間はかかってしまうでしょう。

なので、毎月訪問というのは、選択肢としてはあり得ません。

記帳代行として1月分の領収書等の入力&チェック、お客様とのやり取りをトータル2時間で終わらせるというのも難しいので、記帳代行を含めるというのも困難です。

1月あたり2時間で終わらせるためには、訪問しないこと、お客様に記帳をしてもらい、そのチェックだけを行い、それ以外のコンサルティングは一切行わないということになるでしょう。

ちなみに、これだと、貧乏暇なしになる可能性が高いです。

さすがに格安とはいえ、50件の顧問先を得るには、そこそこの広告宣伝費がかかります。

そして、上記の計算では、労働時間2,000時間には、営業活動などの業務や経理などのバックオフィス業務は含まれていませんので、もっと働かないといけません。

身も心もヘトヘトになるほど働き、1000万円の売上をあげても広告宣伝費などの諸経費でお金が消えていき、お金を貯めることができません。

格安税理士報酬で勝負するためには

普通にやっていては、格安税理士報酬で勝負するのは困難です。

そこで考えられるのは、次の方法です。

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  • お客様に合わせたサービスを行うのではなく、業務を標準化してその範囲内でのみサービスを提供する
  • より多くの集客を行い、標準化した業務に当てはめられる顧客とのみ契約する
  • 顧客への訪問は行わない
  • 記帳代行は行わない
  • 安い給料で従業員を採用する
  • 保険代理店として顧客へ保険を販売する

これ以外に反則技として

  • 必要なサービスを報酬には含めずに報酬を安く見せて置き、受注後に追加報酬をいろいろと請求して結局は平均的な報酬を頂く
  • 従業員の給与にはみなし残業代を含めているということで残業代は一切認めない(たとえ基本給に含まれている残業時間を超えても)

などが考えられます。

つまり、格安税理士報酬の会計事務所としてやっていくには、ある程度ブラックなことを行うのは避けられないのです。

ブラックな会社がお客様に対して本当に親身になってサービスを提供できるのでしょうか。

私はそうは思えないのです。

お客様の都合よりも、自分たちの都合を重視する、従業員のことよりも社長の儲けだけを大事にするということに陥ってしまうでしょう。

だからこそ、は価格の安さで勝負するような税理士業は行いません

お客様のことを第一に考え、安心して事業を継続していけるように、サポートをしていきたい、そのために必要なことは提供してあげたいという想いで税理士として仕事をしているので、価格の安さではなくお客様へのサービスの質で選んでいただけるよう日々仕事に取り組んでいるのです。

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【編集後記】

本日は、原稿の執筆、顧問契約前のご相談、確定申告書のチェック、そして、足の治療と慌ただしい一日でした。

「忙しい」は「心を亡くす」と書くから、忙しいとは言わないようにと心掛けていましたが、「慌ただしい」も「心」が「荒れる」と書くので使うべきでないですね…

今週の日曜日は30㎞のマラソンですが、ここ1週間走れていません…。スキーはしましたが(笑)

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